「今年の漢字」予想 2018

明日、12月12日は「今年の漢字」が清水寺で発表される日ということで、私も予想してみました。

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いかがでしょうか?

今年は、大雨や地震など、度重なる災害の連続で、自然の猛威を目の当たりにする年でした。

ちなみに、昨年の予想はこちらでした↓

https://twitter.com/metokihakuju/status/935302962347249664

これもいい線行ってたと思うんだけどなぁ…。

果たして、今年の漢字はいかに?

流/留(Ryu)

漢字辞典で隣り合っていた、同じ響きでも意味が反対の字。

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昨日の東京の大雨で、色んなものをザーッと流しきったかと思えば、あちこちに水たまり。

流しきれていないものが、まだまだありそう。

出来ることなら、自分の作品が名だたる美術館に所蔵されるのをこの目で見てみたい!(生きているうちに)

あまり個人的に残念なお知らせをブログに載せることはないですが、自分を奮い立たせるためにもあえて。

本日、日本初の現代アート書道専門のアートフェア「ART SHODO TOKYO」の審査発表があり、数点出品していたのですが、残念ながら落選しました。

私は書道を生業としてからまだ2年弱ながらも、そもそも、日本にあまり浸透していないアートの分野で、一般的に思われがちな「たぶん綺麗で上手なんだろうけど、良く分からない」という状況を脱却して、日本の書道を世界に発信するにはどのようなアプローチが良いものか…と、常に思っていました。

そんな時に知ったのが、このアートフェア。

書道界にある様々な謎の風習やしがらみの一切無い、現代アートという切り口で真っ正面から挑むイベント。まさにこれだ!と思い、即エントリーしました。

とは言え、現代アートという分野を全く知らなかった私は、その歴史から、表現するコンセプト等々、勉強を開始。

始めて3ヶ月程ではありますが、この期間に、今までとは全く毛色の異なる作品や、これから長い時間をかけて大事に暖めて行きたいラインナップも増えてきました。これは本当に大きな収穫です。

そして、何よりも、自分の作品がこうなったら嬉しい!という目標がより具体的になってきました。

先日行ったニューヨークでも、オークションハウスの「クリスティーズ」の横を通った時には、私が死んだ後に作品の価値が上がっていたら嬉しいだろうなぁ…と思い、MoMAやホイットニー美術館に行った時には、私が死んだ後にここに作品が所蔵されたら、私が霊になっていても絶対嬉しい!と、ニヤニヤしていました。

 

そう、妄想はタダ。妄想上等!

 

先日、作品を買ってくれた友人と酒を酌み交わしていた時にも、こんな会話が。

「私が死んだ後に、○さんがお宝鑑定的な番組に私の作品出してさ、

『この作品は目時さんが41歳の時の作品なんですが、私が購入した後に、お酒を飲みながら目時さんと『私が死んだ後、この作品を鑑定番組に出してたら超ウケるよね!』なんて話してたんですよ云々…』

というエピソードとか話してたら、面白くない?」

「あー、在りし日の目時さんとの面白いエピソードを懐かしそうに語ったりしてね」

「あ、もし鑑定金額が高かったら、別に売ってもいいよ」

「いやいや売らないって!…ていうか、何で、目時さん死んでる前提?笑」

と、まぁ、ちょっとしたバカ話で盛り上がったことがありました。

死後評価されたゴッホの話が頭にあるからか、妄想もバカ話もなぜか、私が死んでることが前提(笑)

アートが浸透していない日本で、作品が評価されて世で認められていくのには相当な年数かかるだろうという思い込みで、何となく私が死んでる前提になっていたのですが、本当は生きてるうちに、自分の作品がこのような状況になったら嬉しい!

今回の結果が出たすぐ後は私もへこみまして。ツイッターにこんなことも書いている時には、だいぶ復活しておりますが、

一晩明けて、今日は、むしろ書道の新時代の幕開けにテンションが上がっています。
次回は秋開催予定とのことで、またチャレンジします!

「ART SHODO TOKYO」の展示は、4月28日から30日まで、三鷹市芸術文化センターにて。
詳細はこちら

世界に打って出る現代書道アートがどのようなものか、この目で見られるのが今から楽しみです。

 

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恵比寿神社付近之繪圖(A old map, the vicinity neighboring Ebisu Shrine)
今回エントリーしていた、建物名や家主の名前が書かれた地図ではなく、その場所にどんな目的で集い、どんな営みが繰り広げられているか?という視点を元に、古地図風に再現。今後バリエーションを増やしていきたいラインナップの一つです。

【2018年の書き初め】これって変じゃね?と思っても、面白そうだったらやってみる

松の内ギリギリですが…あけましておめでとうございます。

毎年、1月2日は「書き初め」の日と言われていますが、遅ればせながら、今年の漢字を書いてみました。

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【変】です。

なぜこの字にしたか…。
「今年から、私、変わります!」とかいう爽やかな宣言などではなく、(この仕事を始めてから、日々の変化が激しくてスリル満載なので、改めて宣言するほどの気持ちは今は全くない)どっちかって言うと、

・一見すると「変じゃね?」と周囲から思われそうなことを、真剣に考えてやってみる
・自分で「これって変かも?」と一瞬頭をよぎっても、思いついてしまったらとりあえずやってみる
・今まで当たり前だと思っていたことを疑ってみて、たまに変化球を投げてみる

というイメージです。

「様々な形で多くの人が書を楽しめるような場作りをしたい」という気持ちはずっとあるので、レッスンや講座も今まで以上に活発にやっていくのはもちろんなのですが、昨年の秋から勉強を始めている、現代アートとしての書道の可能性について、今までの書道には無かった表現をどうやって作り上げていくか?という課題とがっぷり四つで組み始める元年となりそうです。

今までに無かった表現と言っても、自分の表現は自分の中からしか出せない訳で、無いものをこねくり回して表に出したところで、その表現は枯渇してしまう。

夏休みの宿題の絵日記のネタを探しのために買い物や旅行に行く、という行為は、パッと見のネタとしては華やかではあるけれど、内容の奥深さに欠けてしまい、ネタが長続きしないのと同じことです。(…ということを、小学校の頃に母親から良く言われていて、目時家の恥部を晒す作文を度々書いていたのを思い出しました…。)

「大したことない」と、つい蔑ろにしてしまいがちな気持ちや出来事に改めて着目すること
その気持ちや出来事を、素直に自分の表現として昇華させること

は特に意識して生活していこうと思います。

とは言え、評価されて(=作品として売れて)なんぼの世界なので、内容がひとりよがりにならないように、客観的に見てもらえる機会を増やしていきたいと思います。個展は出来るかどうか分からないですが、SNSなどでの露出はもっと増やしていこうかと。

後で振り返ったときに、来年からの日本じゃないけど、目時白珠年表の中で、年号が変わるくらいのターニングポイントになっていたら嬉しい。

まずは、来週行くニューヨーク。JCATグループ展「JCAT SHOWCASE 2018 IN Tribeca New York」のレセプションへの出席がメインですが、その他は美術館とギャラリーを時間の許す限り巡る予定。
表現のヒントの宝庫、現代アートの数々を吸収しに行ってきます!

昭和の歌番組の手書きテロップには、温もりがいっぱい

今日は待ちに待った、沢田研二のライブ!!

以前から何年かに一度、マイ・ジュリーブームがあり、度々聞いていたのですが、昨年末、個展の作品が全く書けなくなった時、本当にジュリーの曲に助けられました。

なので、今日のライブは、個展が無事に開催できたお礼参りのようなものです。

今日は、書家が基礎練習で臨書をするように、昭和を彩った歌番組の手書きタイトルの真似書きを。

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全て、夜のヒットスタジオから。フジテレビっぽいポップな雰囲気が出ています。

字の大きさや中心に揺らぎがあっても、絶妙なバランスが取れていて、全体に統一感が保たれているのは、書道の作品作りでも学ぶべきところです。

面白い!と思ったら、表現の手法にこだわらない

昨日で、2度目の個展“One”終了いたしました。
ご来店くださった皆さま、Vinsantoのスタッフの皆さま、ありがとうございました!

作品をご覧になった皆さまからは、

「難しいと思っていた、書道のイメージが変わった」
「自分の想像力・創造力が刺激された」
「バー空間に展示されている作品を見て、書道を身近に感じた」
「今の日本の住居より、海外の家の方がインテリアとして映えそう」

などなど、様々な感想をいただきました。

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しらはないろ・真白さんが撮影してくださいました。ありがとうございます!

創作では、「字を書く」という視点で「面白い!」と思ったものは積極的に取り入れていますが、
今回の個展では、筆ではないもので書いた作品、水墨画の手法を取り入れた作品などもあります。

例えば、こちら。

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【叶】

これは、100円ショップで購入したハケで書きました。◯(circle)と+(plus) 良いことしかない組み合わせ。◯を美しく、立体的に表現することを意識しました。

私は、この字を表現したいと思ったら、従来の書道の道具や表現手法に捉われずに様々な方法にチャレンジしています。

次回の個展はいつになるか未定ですが、「古典の臨書・練習」「レッスン」「創作」にかけるバランスが崩れてしまうと、私自身があっぷあっぷになってしまうので(笑)また、作品を直に見ていただける機会を作れたらと思っています。

それまでは、常に新しい表現の可能性を探りながらも、日々の鍛錬を続けてまいります。