七夕の歌は、なぜ「五色の短冊~♪」なのか?

七夕の歌でも「五色の短冊~♪」と歌われているように、短冊に使われる色は本来5色。
その由来は、江戸時代に始まった、厄除けや健康祈願などのために「短冊にお願い事を書く」という風習から。 

この5色は、元は儒教の教えで、日本でも古くから浸透していた「五徳(仁・義・礼・智・信)」に、占いや風水などでも使われる「陰陽五行説」の色が充てられたもので、それぞれ、以下のような意味があります。

書道教室,恵比寿,習字,七夕,短冊,願い事

■仁/青()・・・人間力を高める、人を思いやる

■義/白・・・正義、正しい行いをする

■礼/赤・・・祖先や両親への感謝の気持ち

■智/紫()・・・学業向上、習い事の上達

■信/黄・・・誠実、友達や人間関係を大切にする


7月7日(土)17時~開催する「お酒と書を楽しむ「蘭亭乃會」」でも、もちろん、これらの色の短冊をご用意しております。

・・・けど、私には、これらに当てはまる願い事がないっ!とか、そんな高尚な願い事じゃなくて、もっと俗っぽい願い事を書かせてくれ!というあなたには、金ピカな短冊もご用意しておりますので、ご安心を!
書道教室,恵比寿,習字,七夕,短冊,願い事

あと3名様で締切となりますので、お申込みはお早めにどうぞ!

お申込みは、こちらからお願いいたします。

福山雅治が魅力的な理由は、程良い距離感と傾聴スキルの高さ!?

「あ、どうも。お久しぶりです。お元気そうで何より。」

というのが、ここ数年、私が福山雅治のライブを見に行く時の感覚。

うわーっ!とテンションが一気に上がるという感じがあまりなくて、何というか、お盆や年末年始に家族や親戚に会うような気分になるのです。

こんなことを言うと本当におこがましいと思うけど、ライブは、顔を見て安心するというか、お互い元気で良かったですね(どこから目線だ…)みたいな現在地確認の場。

 

ファンになったのはデビュー2年目。初めてライブを見に行ったのは私が高校2年生の時でした。

当時は、カッコいいシュっとした顔に似合わず、世の中への不満の塊を無骨でやさぐれた感じに表現するところに惹かれていました。青春時代は、私もどこかやさぐれてたんだろうね…。

加えて、みずがめ座O型!中学校の時は吹奏楽部でホルン担当!サインやコメントで度々使われる筆文字!…私と一緒じゃん!と、勝手にシンパシーを感じるイタいファンでもありました(苦笑)

 

そりゃあ、10代20代の頃は、ライブでも「ましゃーっ!」と叫んだり、飛んだり跳ねたりしながら見ておりましたよ。ええ。

でも、あれから時は流れて、今ではライブの時に、「ましゃーっ!」と叫んだり、歌に合わせてピョンピョン飛び跳ねることもすっかりなくなり、腕を組みながら、ジーッとステージを眺めることが増えました。デビューから年月が経つと、ファンも老若男女幅広く、年長者に優しい対応なので、遠慮なくずっと座って見たりして。

 

先日、5月27日にも、ドームツアー『FUKUYAMA MASAHARU DOME LIVE 2018 -暗闇の中で飛べ-』の最終日で、東京ドームに行ってきたのですが。

福山雅治,東京ドーム,音楽,魅力

世の中で騒がれた「ましゃロス」も越えて、涙を目に溜めながら「道標」をジーッと聴いていた時に、何で私は福山雅治のライブを見続けてるんだろうなぁ…と、唐突に思ったのが、このブログを書こうと思ったきっかけでした。

(そう、元々私は全くロスってはいなかったけど、報道が出た時は、メールは来るわ電話は来るわ、あまりにショックを受けすぎているのではないか…と、私に直接ではなく近しい友人に連絡してくるとか…とにかく周囲の反応がすごかったw)

 

好きな音楽は、色々と惹かれる理由はあると思うのだけど、私にとっては、やっぱり、

「自分の今の心情に近いものをどれだけ映し出しているか」
「歌詞に歌われる登場人物と自分との距離感」

というのが、大きなポイントだと思っていて。

こればっかりは私の性格なのでしょうがないんだけど、

無条件に「大丈夫!」とか「輝いて!」とか、
「そのままのあなたがいいんだよ」とか「キラキラしているあなたが好き」とか、

どストレートに歌詞で語られるのが、あまり性に合わず…。

そういう心持ちが、生きていく上でとても大事なのだと分かっていても、「大丈夫」だったり「キラキラ」する過程に辿り着くまでには、

「『そのまま』でいい訳がないだろうが!」
「髪振り乱して血ヘド吐きながら踏ん張ることだってあるだろうが!」

とか思ってしまうので、ノーガード状態でいきなり全力ポジティブ砲がドーンと飛んでくると、

「ちょっと待って、私、そこまで大丈夫とか思ってないし…」

と、つい拒否反応を示してしまったり、

「こっちの世界、超楽しいからさ、早く来いよ!」

と言われても、

「いや、あの…自分のペースでもう少しゆっくり進ませてくれませんか?…ていうか、あなた、ずんずん先に進み過ぎてて見えないし…」とか思ったりするのです。(このあまのじゃくな感じは、自分でも何とかした方が良いと思っている課題。)

 

その点、福山さんの歌には、

「うんうん、分かるよ。そうだよね。人間、生きてりゃ大変なことも沢山あるけどさ、色んなことやってみたら、プラスとマイナスのツジツマはいずれ合ってくるものなんだよ、きっと。」

という空気感が根底に流れているような気がしています。最終的にはポジティブに持って行くんだけど、こっちの面倒くさい話もちゃんと聞いてくれていて、足並みを揃えて一緒に歩いてくれる感じ。若しくはそっと見守っている感じ。

とにかく、歌詞で歌われる内容が、自分の人生の一場面とシンクロする率がすごく高い。

共感力の高さというか、これ、カウンセリングだったら、究極の傾聴スキルの高さなんじゃないかと思うくらい。

それだけ、歌詞が自分の人生とシンクロする率が高くなるのは「解釈の幅を広く持たせることが出来る」という意味で、作詞の技量が素晴らしいということなんだろうなぁと。

 

ライブでは、スター然とした振る舞いの中にも、アニキ的な頼もしさや、デビュー当時から変わらない「ギター好きの少年」の姿、本人は、地位も名声も欲しいものは何だって手に入れている天上人だろうに(と私は思っているのだけど)、全く嫌味無く、ふらっと地上に降りてくる謙虚さ…様々な表情を見せてくれるのも大きな魅力。

 

楽曲に関しては、昔の曲も好きなものは沢山あるけれど、ここ数年、スターの地位を獲得したからこそ作れた曲が、振り切っていて面白い!という印象があります。

「I am a HERO」や「Pop Star」などでは、歌詞の中で、今の地位を嘲笑ったりしているけれど、人気商売という、ある意味水物で浮き沈みの激しい業界に身を置いているからこそ、自分のことや自分を取り巻くメディアや有象無象を冷静且つ客観的に見ているのだろうなぁ…というのが手に取るように分かる。

「トモエ学園」や「零-ZERO-」は、「多様性を認めていこう」という今の時流を捉えたアプローチに対しても、決して声高になり過ぎることなく、そっと暖かく隣で見守るような優しさを感じる。

 

歌詞の内容やライブのパフォーマンス、雑誌等の媒体のインタビューなどを見ていると、彼が(たぶん)臆病で客観的で心配性だからこそ、「もっと、もっと」「まだ、まだ」という欲が常にあって、それが、今の地位に決して安住することなく常に挑戦し続ける原動力になっているのかなぁと。

私は、傾聴スキルの高い歌詞に共感しているだけではなくて、この、臆病で客観的で心配性なところにも共感していると言うか、自分にも、性格的にこういう部分があって、どこか

「こんな自分の性格も、悪くないのかも。」

と、安心しているのかもしれない。

年末には、恒例のライブも決まったことだし、

「あ、どうも。お久しぶりです。お元気そうで何より。良いお年を!」

と挨拶できるように、チケット運の神様に願いを託したいと思います。

【母の日に寄せて】思い出補正の罠~過去と上手く付き合うこと~

成績が良く、学級委員的な役回りをすることが何かと多かった幼少期。
今になって、私の幼少期を母と振り返っても、「いわゆる『手がかからない良い子』の類いだったかもね…」などと話すのです。

 

でも。

先日帰省した時に、母から見せられた私の作文。たぶん、小1の頃の母の日に書いたものなのだけど、

おかあさんは、おこる時すごくこわいから、もうすこしやさしくして下さい。
せんたくは、このごろやっていないでのんびりしているから、やったほうがいいとおもいます。
ごはんのしたくも、下しゅくしている人につくってあげたり、わたしたちにもつくってあげたりしていそがしいですね。
こんどからもずっとながいきして下さい。

 

…いや、ちょっと待て。これはひどい。我ながら本当にひどい!

これを見た後、家族でゲラゲラ笑いながらも、「ごめん!本当にごめん!」と母に謝罪をしたのは言うまでもないのですが、この文面見た限り、「良い子」のカケラも無いし、私たち母娘の「思い出補正」も大概だなぁと。

大人になってからの今の私が、色々と頭を働かせてみると、「子供が母の日に書く作文」のイメージは、「おかあさん、ありがとう!」で締めるのが定石なのでは?とも思うので、この、

「えっ?何?親にそんな忖度なんて要る?」

みたいな文章を見て、「あんた、面白いこと言ってるわー!」と昔の自分に喝采を浴びせつつも、今の自分が昔の自分をちょっと信じられなくなったりして。

なぜ「ありがとう」の一言が言えないのか。その言葉を言えるように教わっていた気がするけど、教えたはずの親に使わないってどういうことだ。こういう時こそ使うんだろうに…。

やれ「洗濯してない」ってダメ出しするとか、指でスッとテーブルをなでながら「あら、あなた、ちょっとゴミがありますわよ!」とか言ってる姑かっ!どんだけ上から目線なんだ!

そもそも「良い子」という定義は何だろう…。親の言うことを素直に聞いていることが、果たして「良い子」なのか。これって、親にとっては「叱らなくて済む」というだけで、ただ「親にとって都合が良い子」なだけでは?

外で起きた出来事を家族に報告したり、その時の気持ちを話す方ではなかったので、(小さい頃は、外で起きた出来事や問題を、誰かと共有するという考えを元々持っていなくて、そういうことは自分の中で処理するものだと思っていたので、「今日○○があって…」とか、家族に報告したり相談する意味が分からなかった)作文が、自分の気持ちを表すハケ口になっていたのかしら?

などなど、様々な思いが過ぎりました。

 

この作文を書いていた当時(今から35年程前)、実家の向かいにあった祖母宅では下宿屋を営んでおり、そこには、ビーバップハイスクールから飛び出てきたようなビジュアルをした、短ラン&ボンタンを着た高校生のお兄さん達が数名住んでいました。

母は、私たちを育てながら下宿屋を切り盛りしていたのですが、朝晩2食+昼弁当を毎回作り、親元から離れて暮らすビーバップな彼らを母親代わりとして面倒を見たり、たまにやんちゃなことをしてしまう彼らを叱ったり…と、それはもう忙しい日々。

私も、たまーに手伝いをした記憶がうっすらあるのですが、とにかくビーバップなお兄さんたちが怖かった思い出しかない(苦笑)

それを母がやっていたのは、今の私よりも若い頃の話。私には絶対できない…。

「大人になったら分かる」という言葉は、大人がすべて正義みたいな言い回しをして子供をマウンティングしているようで、あまり好きではないし、今、私が「母親」という立場ではないから、そういう意味では「分かってない」ことが多いのだけど、とは言え、自分は到底できることではないので、頭が上がりません。

なのに、娘が書いた作文がコレってどうよ。よくブチ切れなかったなぁ、母よ。

確かに母はこわかったのだけど、こういう作文や感想文、絵、習字などの創作系で怒られた記憶はないので、表現に対しては寛容だったのだと思います。(これは「思い出補正」してないはず…)

当然と言っちゃあ当然だけど、子供の頃の記憶って本当にあいまいなもの。特に私は昔のことを覚えている方ではないので、分かりやすい「肩書き」や「結果」「事実」だけを見て、都合の良いように自分で「良い子」補正を勝手にかけていたんじゃないか…という気がしてきました。

あとで家族に聞いてみると、

「あんた、作文は、結構手厳しいことも何でも正直に書いてたよ」という証言もあり、忖度なしに思ったことをズバズバ言える「正直さを持っていた」という意味では「良い子」だったのかもしれません。

 

奇しくも、年明け最初のブログで、今年の目標に

「大したことない」と、つい蔑ろにしてしまいがちな気持ちや出来事に改めて着目すること
その気持ちや出来事を、素直に自分の表現として昇華させること

と書いていたのですが、今まで、「子供というのはこういうもの」「大人というのはこういうもの」という見方をしている部分が多かったんじゃないか、フィルターに通しすぎ、オブラートにくるみすぎなことが多かったんじゃないか、と感じています。

自分の書道の表現でも今問われている部分ですが、いかに生身の自分を出せるか、自分に正直でいられるか?というテーマに対して、良いヒントをくれたような気がしています。昔の自分、ありがとう。

 

「思い出補正」といえば、「昔は良かった」的なことを言って、思い出を美化してるようで、実は過去にとらわれて未来を憂いているだけで、結局はただの現状に対する不満を述べている…というイメージもあるけれど。

思い出のどこにフォーカスするかが重要で、「昔は良かった」とか、逆に「アレが嫌だった」いうところだけに注目するのではなく、今と昔は当然違うけど、過去の経験を糧にして、自分の人生をより豊かにする方法を考えることで、気分が良くなったり、自己評価を上げたりすることが出来るんじゃないかなぁと。

自分自身を成長させるためなら、「過去の思い出と上手く付き合う」ためのツールとして「思い出補正」を使っても良いのではないかと思っています。

隠したところで、どうせ表に出ちゃうんだったら、最初から出しておこうか

今回で2回目となった、しら珠の手習い「ひらがなで美しく書く百人一首講座」。

課題は、

忍ぶれど 色に出でにけり 我が恋は ものや思ふと 人の問ふまで (平兼盛)

でした。

書道教室,東京,恵比寿,百人一首,かな,実用書,習字,ひらがな
書道教室,東京,恵比寿,百人一首,かな,実用書,習字,ひらがな

意味は、

人に知られないようにと内に秘めていたけれど、私が恋をしていることが、顔に出てしまったみたい。
何か物思いにふけっているの?と、人から尋ねられるほどに。

私、全然恋なんてしてません!てな顔してるけど、周囲から見たら、バレバレじゃん!という意味です。

こういう経験、多かれ少なかれ皆さんあるのではないでしょうか?
特にカンの鋭い女子は、

「何かいいことあったでしょ?」と、

友達に突っ込みを入れたり、逆に聞かれて素知らぬ顔できなかったり(苦笑)

この歌は、

歌人が歌を詠み合って、優劣を決める「歌合(うたあわせ)」という会で、最後に残った2首のどちらが勝つか…という段になって、主催していた村上天皇が、この歌をずっと口ずさんでいた…というエピソードでも有名です。

この時のお題が「忍ぶ恋」。

ちなみに、惜しくも負けてしまったのが、同じく百人一首に載っている、

恋すてふ 我が名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか (壬生忠見)

私が恋をしているという噂が早々に立ってしまった。誰にも知られないように密かに思い始めたばかりなのに。

どちらも、現代にありそうなお話ですね。

実は、この歌を選んだのには理由があって、ホロスコープ的には来週やって来る一大イベント

5月16日 天王星おうし座入り!

のことが、最近頭にずっとあって。

自分らしく五感に正直に生きることが、これからのスタンダードになっていく中で、色んなことを隠したところでどうしようもなくて、本音と建前みたいなものの垣根が無くなっていったり、正直に「顔に出てしまう」とか「思いが伝わってしまう」んじゃないかと思ったので、この歌を選びました。

という理由で、今回のブログのタイトルが、こうなった訳です。

小筆を使った練習では「実用書」「連綿線を生かした仮名」、ご希望に合わせて好きな方を学ぶことが出来ます。

連綿線を生かした仮名は、読みにくいのですが、先月のレッスンで「変体仮名」に興味を示した方が多かったので、街中で見つけた「変体仮名」でクイズを。

これは、新宿駅近くのとあるお店の暖簾ですが、

「追分だんご」の「ご」の形、何か変じゃないですか?
これが変体仮名なのですが、古(こ)に、濁点(゛)がついて、古゛(ご)と読ませています。

練習は、字単体の形だけに意識を向けていると、全体で俯瞰して見た時に、縦の流れが悪く見えてしまいます。
お手本を見ることも大切ですが、お手本に頼りすぎず、息を止めず(笑)呼吸するかのように自然な流れを作りながら書けるのがゴール。
縦の流れを美しく書くための筆慣らしをした後で、字を書き進めていきます。

書道教室,東京,恵比寿,百人一首,かな,実用書,習字,ひらがな
書道教室,東京,恵比寿,百人一首,かな,実用書,習字,ひらがな

最初は、書きながら意識を向けるところが多すぎて、少々パニックになりながらも、最終的には美しい流れのある作品が仕上がりました。

書道教室,東京,恵比寿,百人一首,かな,実用書,習字,ひらがな
書道教室,東京,恵比寿,百人一首,かな,実用書,習字,ひらがな
次回は、6月16日(土)13:00~から開催。
初めての方でも筆の持ち方から指導いたします。
日常の字を美しく書きたい方、和の文化に触れてみたい方、是非ご参加ください。

お申込み・お問合せはこちらまでどうぞ!

【書道上達の秘訣】すぐに現場で使える「生きた練習」をする

私もその要素が非常に高めなので「類は友を呼んでいる」のだと思っているのですが、書工房しら珠のレッスンへいらしている生徒さんは、「何らかの沼」にどっぷりとハマっている方が多いです。

それが、モノであったり、スポーツ選手であったり、芸能人であったり、アイドルであったり、俳優さんであったり、ミュージシャンであったり…ジャンルは様々なのですが、「何かを(誰かを)とことん好きになる力」がとても高い方々。

「好き」という力はものすごいもので、「これがあるから頑張れる」というテッパンのようなものを皆さん結構お持ちになっていて、自分のテンションを上げるためのきっかけ作りが上手な方が多いような気がします。

書道のみならず、どの習い事もそうかもしれませんが、「自分がこうなりたい」というビジョンや目標が決まっているけど、そこに行くまでの過程を考えると、とてつもなく長い道のように思えて、ブルーなる…。

そんな気分になるのはとても分かります。苦手なものを克服するために教室に通っているのに、先生の手本や動きなどを見てしまうと、何だか出来る気が全然してこない…。目標設定が高くなりすぎて、どうやって一歩一歩克服したら良いか分からなくなる…でも上手になりたいし…と逡巡する訳です。

というモヤモヤを突破する方法はいくつかあると思うのですが、「好き」という想いを力に変えるべく、私は、市販されているペン字・筆ペン練習帳には絶対載っていない文例でお手本を作ることもしています。

だって、せっかく練習するからには、テンション上がるもの書きたいし、実践でも使いたいでしょ?

そのためには、私は、最高級の人参を全力でぶら下げます!
(=生徒さんのテンションが上がる、オリジナルのお手本をいくらでも書きます。の意。※但し、公序良俗に反しない範囲で)

ということで、実用書のレッスンでは、ご要望に応じて、好きな方のお名前や、ファンレターに使えそうな内容をお手本で書いたりもしています。

書道教室,手本,恵比寿,渋谷区,習字,美文字,ペン字,実用書,ファンレター

このお手本は「行書」で書いています。
「行書」という言葉の響きは、書道を長い間やってきた人でないと耳なじみがないし、日常生活では書くことがないんじゃないか…と思うかもしれませんが、ちょっとしたメモ書きの時にもササッと使えて、意外とラク。

きへん(木)、のぎへん(禾)、さんずい(氵)、やまいだれ(疒)などは、日常でも意外と使うことが多いと思うのですが、形を覚えてササッと書けると時間短縮になるだけではなく、字が大人っぽく見えるので、覚えていて損はない書体です。

書道教室,手本,恵比寿,渋谷区,習字,美文字,ペン字,実用書,ファンレター

生きた練習をすること、すぐに現場で使うことが、書道上達の秘訣の一つです。

あなたの気分が上がる、オリジナルのお手本で楽しく練習してみませんか?

書道教室〜趣味・実用コース/趣味・創作コース〜

人間はカテゴライズされることで安心するけど、その枠を越えたところに、もっと自分の魅力を発揮するチャンスがある。

初めての試みの連続だった、及川智恵さん主催のイベント「マジメなアソビ」。お越しくださった皆さま、ありがとうございました。

イベント中のトピックスは、終了直後にツイートしたのですが、

書家にあるまじき展開…。

今回は、おひとりずつ占いセッションをしながら、

「誕生日から導く、あなたの味方になるインテリア書 ※ミニカルテ付き(仮)」を作るために必要な「言葉」や「色」をお伝えする…というのがメイン。

それ以外の時間は、アトリエにいる雰囲気でずっと字を書いていようと、色んな道具や資料も持参していたのですが、全く字を書くことなく終了しました。

イベント中、ほとんどの時間は、セッションしたり、書家になったきっかけを話したり、アート談義に花を咲かせたり…とにかく多くの方々と語り合うひとときでした。本当に楽しかった!

↑バラエティに富んだ展示の数々。

 

特に面白かったのは、セッションした方の多くが、

・占いが好きという訳ではない(むしろ、あまり信用していない)
・アートにすごく興味がある!大好き!という訳でもない
・…でも、「書道×占い」って、何か面白そうな気がする

という感覚を持たれていたこと。

「類は友を呼ぶ」じゃないですが、イベントに来てくださる方は、大なり小なり、出展者の個性のどこかに共鳴してくださっていたり、琴線に触れる部分があるのだろうと思っていて。

ということは、私たち出展者4人は「あまのじゃく」なのだろうか?と、ふと頭をよぎったのですが(笑)、色んな方とお話していて感じたのは、私たちのことを、

「カテゴライズしにくい場所に居るから、そこに面白さを感じてくれている」

のかもしれないなぁと。それが4人の共通点なのだろうし、智恵さんがお声がけくださったのも、そこに理由があったのかしら?と、勝手に思っています。

日本人は特定の枠にはめて物事を考えるのが好きと言われます。自分でもついやっちゃうけど、血液型もしかり、出身地もしかり。

占いも、「あなたの月星座は○○座だからこんなところがあって…」というカテゴライズをするもの。
自分自身を納得させたり、安心させるツールとして、大切なものだと思っていますが、その枠だけでその人を語ろうとしてしまっては、本当にもったいない。

途中から、セッションした方には、

「占いでは○○と出てはいるけど、やりたきゃ、やりゃあいいじゃん!」

という類の発言を何度か繰り返していたのですが、枠云々を越えたところに、その人の魅力であったり、チャンスがもっとあるんじゃないかと。

その自分の枠を越えるためには、他の人とお話をすること、意見を聞くことは大切だと思っています。それは、友人知人でもいいだろうし、それが嫌なら専門家でもいいし、今回のようなセッションでもいいかもしれない。

今回の「マジメなアソビ」でも私自身がそうだったのだけど、例えば、自分で自分の最大限の枠を「直径1m位の球体」だと思っていたとしたら、ある人は「1辺5mの立方体」だと思っているかもしれないし、また別の人は「お前は形に見えるとかそういうんじゃないレベルの存在なんだよ!」という驚きの見積もりをするかもしれない…。

自分が決めている枠は意外と小さくて、実際に色んな方とお話して、今回の「書道×占い」のインテリア書も、今後どう発展させるか?というヒントをいただけたりしたのも、本当にありがたかったです。

今は、個人で発信できる時代になったからこそ、その分チャンスがあるということ。仕事に関しても、例えば、

・ナントカ協会に入っていないと生き残れない
・どこかの事務所に所属していなければ売れない

みたいなことは、もう無くなってきてはいますが、情報量が多くなると、どんどん埋もれてしまい、まずは「知ってもらう」という機会すら持てなくなってしまう。

今回、サンドウィッチマンのネタのツカミの

「名前だけでも覚えて帰ってください」

じゃないけど、まずは、「こんなことをやっている人がいる」と、直に見てもらえる機会をいただけたことに、本当に感謝しています。ありがとうございます!

会いたい時に、会いたい人に、会いに行くべし!

5月5日(土・祝)に出展する「マジメなアソビ」の開催まであと3日。

https://www.metokihakuju.com/news/event20180505/

今回は、個展のような作品展示ではなく、インテリア書に関するセッション以外は、普段のアトリエ作業をそのまま持ち込む…という初めての経験をするので、そもそも「何をどのくらい持っていくか?」という見当がつかなくて、少々あたふたしております。

最近は、字のようで字に見えないようなものを書いたり、
書道,インテリア書,アート

チラシで折った紙ひこうきに字を書いたりしていることもあるので、
書道,現代アート

ふらっといらした時に、もし字を書いていなくて「紙ひこうき」を折っていたとしても、気にせず臆せず話しかけてください!話す勇気がなければ、遠くから生暖かく見守ってていただけるだけでも嬉しいです。

 

この「マジメなアソビ」。前のブログにも書きましたが、昨年私はお客さんとして行っておりました。主催をしている及川智恵さんのことは、当時、魅力翻訳家という肩書きで活動されている側面しか知らなかったので、写真の展示やワークショップがあるというのを知って、

「へぇ、智恵さんって、こういうこともしてるんだ、なんか面白そう!」

という、それはもう軽い理由で訪れたのでした。(智恵さん、「軽い理由」なんて言ってすみません…。)

このように、直感的に「なんか良く分かんないけど面白そう!」と思ったら、常識や先入観が入り込んでくる前に行動に移して、とりあえず会いに行ってみたらいいじゃん!と思う理由がいくつかあって。

 

■自分の可能性を広げるヒントがたくさんある

私は、特定の流派に属さずに書道の仕事をしているので、いわゆる書道の「師匠」がいません。

師匠の存在は自分を成長させるもの。いくら師匠がいないからと言って、人に頼らずに同じことをやろうと思っても限界がある。そんな時、自分の可能性が広がる人との出会いは、師匠との出会いのようなものなんだろうなぁ…と、いつも思っています。

自分が活動している分野で成功している人だけではなく、あえて、自分とは全く違う分野で活躍している人と接するのもオススメ。

本当に成功している人は、自分が属している業界全体を活性化したいという思いが強いので、基本的に、自分が得た利益を自分だけのものにしてしまおうという考えがなく、成功するための秘訣を惜しみなくシェアしてくれる人が多いです。

 

■自分のブランド力を客観的に知るチャンス

個人事業主として仕事を始めて特に感じることですが、仕事をしていく上で必要なのは、技術力とブランド力だと思っています。

特に、ブランド力をつけるには「自分を知ること」が本当に大事。

「自分を知る」作業を掘り下げて行く時には、自分が今まで出会った人や出来事など、経験したことの中から選んでしまいがちだけど、

豚肉、ニンジン、玉ねぎ、じゃがいも…これらの素材の良さを最大限に生かす料理は、「カレー」だよね!と自分が思っていたら、「いや、肉じゃがの方がもっと素材の良さが引き立つんじゃない?」という人もいるかもしれないし、「ポトフがいい」という人もいるだろうし、はたまた、誰も作ったことのない超美味しい創作料理を提案する人もいるかもしれない。

自分では考えつかなかった料理(=魅力、自分の活かし方)の存在に気づかせてもらえるのは、やはり自分ではなくて他人。

「えっ?私って、そういうこと出来そう?」というヒントが出てきたり、「へぇ、私はそう見られてたんだ!」という意外な発見もあるかもしれません。

実際に、私が今まで実施した講座やワークショップ、サービスは、この流れで決まったことが多いです。

 

■実はお仕事の縁も繋がりやすい

昨年の「マジメなアソビ」で出会った方々が、何人かレッスンに来てくださっています。

今は、ありがたいことに、SNSや検索などで見つけて来てくださる方も増えていますが、母数は違えど、確率で行けば、直接会った方との繋がりの方が、Web経由の何百倍とかになるんじゃなかろうか。

元々、智恵さんのイベントは人と繋がる率が高いというのもあるけれど、これってすごい確率だなぁと思っています。

それは、ブログやSNSの文章で伝えきれていないことが多いからじゃね?という、文章力などの問題もありつつ…使い古された言葉ではあるだけど「Face to Face」も、やっぱり必要。直接会うことでしか伝わらないことは、多いと思っています。

 

ということで、あと3日に迫った「マジメなアソビ」。
入場無料ですので、ご家族・お友達お誘い合わせの上、ぜひ遊びにいらしてください!

5/5(土・祝)今年も「マジメなアソビ」開催します!

気持ちがコントロールできれば、筆のコントロールもできる

毛筆のレッスンをしていると、同じお手本でも様々な書き方をする生徒さんがいらっしゃいます。

「字は心の表れ」と言われていたり、筆跡鑑定というジャンルが存在しているように、書いた字には、その人本来の性格や、その時々の調子・気分が存分に反映されるもの。

「今、○○な気持ちで書いてませんでした?」と問いかけると、
「あれ?バレました?」

という返事が生徒さんから返ってくるのがほとんど。それだけ、字から読み取れる情報は多く、その時の心理状況や性格的なものも意外と当たっていたりします。

これが「え?先生、占い師なの?」とか言われてしまう所以なのですが、
(占い師疑惑のエピソードは、以前の記事「気持ちが収まると字が収まる」をご覧ください)
今回は、生徒さんが書いた字や、生徒さんとの会話を通じて感じた、心理状況や性格的な特徴を挙げてみました。

自分に集中して字を書くことを通じて、自分の意外な一面が発見出来たり、普段の生活でより意識を向けた方が良いポイントが見えてくるかもしれません。

 

■後半に行くにしたがって、字が小さくなりメリハリがなくなる


スタートダッシュは良いものの、後半失速するタイプ。瞬発力は高いのに力の配分が上手くいかず、早い段階で力を使い切ってしまって、後半どうでもいいや…と思ってしまうことも。息を止めてゆっくり時間をかけすぎて書いている可能性もあります。書く時はリズム感とスピード感を大切に。

 

■最初は字が小さめだが、尻上がりに字のバランスが良くなる


スロースターター。エンジンがかかりにくく、調子が出るまでに時間がかかるタイプ。「能ある鷹は爪を隠す」じゃないですが、本来実力はあるのに、すぐに表に出し切れないままでいると、「ねぇねぇ、その爪いつ出すの?」ということになりかねません。
せっかく良い素質があるのですから、起筆(書き始め)も自信を持って思い切り良く、最初かパーン!と自分を表に出して書きましょう。

 

■全体的に字が小さい


慎重な性格の持ち主。または、何らかの理由で気持ちが萎縮していたり、自信をなくしていたり、疲れが出ている時期かもしれません。理性的で自分を抑えるクセがついていて、何かやらかして注意されるくらいなら、目立たずに大人しくしていようか…と思っている可能性も。とめ・はね・はらいも弱くなる傾向もあるので、一画一画書く度に、丹田に力を入れることをより意識しましょう。

 

■全体的に字が大きい


チャレンジ精神が旺盛ですが、後先考えない傾向が。思い切りが良いので、線質には勢いがありますが、はねが少々雑になりがちなのもこのタイプ。物事を始める前は、勢いに任せすぎず、周囲の状況を自分なりに少し整理して、一呼吸置いてからゆっくりスタートしましょう。内なるパワーは沢山ある人なので、最初から最後まで長く穏やかな力を出せるように意識しましょう。

 

■途中で諦めてしまう


完璧主義なところがあります。1ヶ所失敗してしまうと、もうこの結果はダメだと決め付けてしまって、勝負をしない傾向があります。まずは、結果はどうであれ最後まで続けることが大事。フィギュアスケートの選手がジャンプを失敗しても途中で辞めずに最後まで滑るのと一緒です。一度失敗したくらいで投げ出さず、平均値を上げていくことで結果を残すことも考えましょう。

 

筆には、などの動物の毛が3000本近く使われていると言われています。
書道は、これらの3000本もの毛を総動員して、太さ細さなどをコントロールし、色々なところに気を配りながら書く訳ですから、本当に大変な作業です。字の美しさを保つために、少々の失敗にも動じない心や、最後まで作品を書き続ける持久力などなど…身につけておきたいことは沢山あります。

書工房しら珠のレッスンでは、書く前にゆっくりと墨を磨る時間を設けています。これは、自分なりに気持ちを整理し、落ち着いた精神状態で字を書けるようにするため。墨を磨りながら仕事のグチが出てしまうこともありますが(笑)それもベストな状態で書道に取り組むための大切な準備だと考えています。

数年前から話題になっている、マインドフルネスや禅の思想にある「今、ここに集中する」ことで、自分がどんな感情を抱いているか、その心理状態などを観察することができ、ネガティブな感情に気づいて修正することもできます。
自分の感情を見つめることは、普段はつい見逃してしまいがちですが、この繰り返しが、心の安定や自分の本来の力を出すことにも繋がります。

私も、作品制作の時は、途中で「あ゛ーっ、違う!」と放り出したり、書いた字を見て「気持ちが全然入ってない」など良くやらかしているので、大それたことは本当に言えないのですが…。

日常生活において自分の力を100%出し切る訓練、自分の感情をコントロールする訓練には、やはり書道はオススメです。

その訓練は、書工房しら珠の「趣味・実用コース」と「趣味・創作コース」で!

書道教室〜趣味・実用コース/趣味・創作コース〜


美しきおひとり様、小野小町の歌を書く

今日は、しら珠の手習い「ひらがなで美しく書く百人一首講座」第1回。記念すべき初回は、小野小町。桜が散ったばかりの東京の今にぴったりな句を選びました。

 

花の色は 移りにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに

 

桜の花が散って色あせていく姿と、自分の容姿の衰えを重ね合わせ、その憂いやむなしさを詠んだ歌です。

この句は、「修辞法」「掛詞」などが使われているのですが、

書道教室,東京,恵比寿,百人一首,かな,実用書,習字,ひらがな

※あー、古典の授業で習った!懐かしい!

 

何よりこの句がすごいのは、「自分のことを桜の花の美しさに例える自信」に尽きます。その自信、欲しい…。

小野小町の美しさがどのようなものだったのか、本当のところは謎で(30年位前の男性の「ソース顔」「しょうゆ顔」じゃないけど、時代によっても顔の美しさはトレンドもありますし)、平安時代は、歌が詠めるのが大事なモテ要素だったと言われています。

六歌仙の中での唯一の女性であった、人気歌人の小野小町が貴族社会の中でモテたのは当然なんでしょう。

 

というようなお話をしながら、次はひらがなの書き方の説明へ。今月のお手本はこちら。

書道教室,東京,恵比寿,百人一首,かな,実用書,習字,ひらがな

ひらがなはくずし過ぎず、実用的な場面で有効活用できるように、3~4ヶ所の連綿線のポイントを入れたお手本をご用意しています。

もし、連綿線美しい本格的な「かな」にチャレンジしたい方は、こちらのお手本もご用意。

書道教室,東京,恵比寿,百人一首,かな,実用書,習字,ひらがな

花の以ろ八 雲つり二介里奈 い多つら耳 和可美与二ふる 難可面せし万二

 

ここでちょっと寄り道。
この仮名は「変体仮名」を使っています。お蕎麦屋さんやうなぎ屋さんの読めない字、見たことありませんか?あれです。

書道教室,東京,恵比寿,百人一首,かな,実用書,習字,ひらがな

今は、一音で一字のひらがなが充てられていますが、昔は、一音で複数の字が仮名として使われていました。
例えば、今使われている「あ」は「安」が変形したものですが、昔は「阿」「悪」「愛」などが元になった「あ」もあったのです。

書道教室,東京,恵比寿,百人一首,かな,実用書,習字,ひらがな

ということで、本編に戻ります。

かなは、縦の線を美しく書くのがポイントなので、「の」「り」を繰り返す書く練習で、筆慣らしをします。

書道教室,東京,恵比寿,百人一首,かな,実用書,習字,ひらがな

コツは、肘を引きながら書くこと。

その後、いよいよお手本を見ながら練習です。

最初は、細い線をおそるおそる書いていた参加者の皆さん。徐々に書くスピードが上がり、リズム感も良くなっています。

おっかなびっくりでゆっくり書いていると、集中力が持たなくなり、下の句を書く頃には力尽きてしまったり、縦書きの流れが滞ってしまうので、ある程度のスピード感とリズム感はとても大事なんです。

かなに果敢にチャレンジしてくださった参加者の方も。

書道教室,東京,恵比寿,百人一首,かな,実用書,習字,ひらがな

初めてとは思えない、線の太細の表現!素晴らしいです!

・表現の幅が広いのが楽しい
・線が硬くなりがちなので、女性らしいしなやかな表現が出来るようになりたい
・変体仮名のことがもっと知りたい

などのご感想をいただいた今回の講座。

次回は、5月12日(土)13時~開催いたします。「小筆持って字を書くなんて何年もやってないわ…」という方も、筆の持ち方から指導いたしますので、安心してご参加いただけます。
お申し込み・お問い合わせは、こちらからどうぞ!

自分の引き出しからは、何を引っ張り出して使ってもいいじゃないか、人間だもの。

5月5日(日・祝)雑食系フリーランス及川智恵さん主催の「マジメなアソビ」に出展することになりました。

昨年、私は「マジメなアソビ」にふらっと遊びに行っていた側だったのに、今年は出展することになるなんて!

まさかのお声がけにビックリしたのですが、「新しいことに挑戦したそうなことがある」人に声をかけていたそうで。

 

んもう、智恵さん。
私が次の一手をどう打とうか…と悶々とした思いをキャッチしてくれている!何という絶妙なタイミング。

 

ということは、いよいよアレを試す時が来たってことだよ( ̄ー ̄)ニヤリ

 

1~2ヶ月ほど前から、SNSではこっそり実験的にアップしていた、

「誕生日から導く、あなたの味方になるインテリア書 ※ミニカルテ付き(仮)」

書道,インテリア書,アート

※これは私の誕生日(1976年1月22日)から導き出した「色」「数字」「言葉」で作っています。

 

以前から、「書道」×「ホロスコープ」の掛け合わせで、何かが出来ないかなぁ…と思っていたのですが、やっと形に出来る時が!

 

私は、数年前に「人は千差万別である」ということを知るためのツールとして、ホロスコープの勉強し始めたのですが、始めてみたら、自分のことを知るのも本当に楽しくて(時には、大いなるガッカリも経験しましたが…)

「そりゃ人は全然違うもんだから、仕方ないよね」
「みんな違うから面白い、ってぇこともあるもんなんだね」

と、全力で肯きながら勉強を続けてきました。

 

元々は、自分を納得させるためだけの勉強だとしか思っていなかったものの、ホロスコープをやっているという話をポロッとすると、意外と面白がってくれる人もいるもので…。

ここ2~3年は、バーでお客様相手に占いさせてもらったり、こっそり占いのブログを上げていたり(今は閉じちゃいましたが)、ご要望があれば教室の生徒さんも見させていただいたりしていました。

 

自分の引き出しの中に知識として入れっぱなしで、取り立てて表に出さなくても…と引っ込めていたものでも、いざ表に出してみると、

「あら!あんな場面でもこんな場面でも役に立つの!?」

という経験が少しずつ増えたりして。

 

ということは、趣味だ仕事だと分けたりしなくたって、自分の中にあるものは何を使っても良いんじゃね?と思うようになり、今回チャレンジすることにしました。

 

今回のインテリア書は、ホロスコープとはちょっと違うアプローチですが、生年月日から導き出した「色」「数字」「言葉」で、あなただけのオリジナル作品を作ります。

 

これから数年間は、誰もが飛びつく万人受けするマス向けのものよりも、

「他の人がどう思おうと知ったこっちゃない」
「自分が好きなものは好きなんじゃ!」

というように、一見すると他人には理解されにくいもの、よりマニア度の高いもの、自分にだけ合うもので自分自身を満たすことがテーマになっていきます。

 

普段の居場所も、いかに自分が心地良い空間づくりが出来るかが大事になってくるので、そこに、自分を味方にできる作品を飾れたら最高なんじゃないか!?…と思っております。

 

事前のご予約は不要なので、ぜひ遊びにいらしてください!
インテリア書に関する詳細はこちら

 

また、開催時間中は、インテリア書制作に関わるセッション以外は、資料やら道具を色々持ち込んで、半分はアトリエにいる気分で、ただひたすら何かしら書いてると思います。

 

何を書くかはその日にならないと分からないですが、お茶飲みながら、私が書いている様子を見たり、作品についてあれやこれやお話する機会が出来たら良いなぁと思っています。

昨年はちょっと顔出したほんの短い時間でもたくさんの出会いがあって、レッスンに来てくださる方がいたり、作品を購入して下さったり…と、数珠繋ぎでご縁が繋がっております。

とても居心地が良い空間だったので、今年もそんな空間作りに貢献出来たら嬉しいです。

 

日時:2018年5月5日(土・祝)11:00~17:00
場所:レンタルスペース テポニティー
東京都世田谷区代田3-42-7 1階(小田急線 世田谷代田駅より徒歩5分、梅ヶ丘駅より徒歩7分、京王井の頭線 新代田駅より徒歩10分)
料金:入場無料(物販、セッション、ワークショップ等は有料)

参加方法:原則として申込不要です。お好きな時間にふらりとお越しくださいませ。
※一部セッションやワークショップは事前予約が必要な場合があります。

指が痛くならない!正しいペンの持ち方とブレない線の引き方

今年に入って、当教室でペン字のレッスンを始める方がグンと増えております。ありがとうございます。

レッスンを始める前にお悩みを伺うと、字の形に関することだけではなく、

・丁寧に書こうとして、力が入りすぎてしまう
・指がすぐに疲れて、字を書くのがしんどい
・字を書き続けていると、ペンだこが出来てしまう

といったお答えが…。

これらのお悩みは「ペンの持ち方」が原因です。

書道教室「書工房しら珠」のレッスンでは、ペンの持ち方と縦線・横線の引き方の指導にも時間をかけていますが、レッスン中にペンの持ち方を再度チェックして「字を書くのがとても楽になった」という声を多くいただいていますので、ブログでも改めてご紹介します。

① ペンは、親指と人差し指でつまんで、中指を軽く添える

ペン字,美文字,レッスン,筆ペン,書道教室,習字,渋谷区,恵比寿,
ペン字,美文字,レッスン,筆ペン,書道教室,習字,渋谷区,恵比寿,

ペンと指が接する場所は、親指の腹、人差し指の腹、中指の側面(人差し指側)。     

まず、ペンを親指と人差し指で軽くつまんでみましょう。場所は「ペン先から3cm程度」の位置がベストです。

ペン字,美文字,レッスン,筆ペン,書道教室,習字,渋谷区,恵比寿,

その後に、中指を軽く添えます。

ペン字,美文字,レッスン,筆ペン,書道教室,習字,渋谷区,恵比寿,

ペンの軸を中心に、3本の指が正三角形の位置関係にあるか、チェックしてみましょう。

ペン字,美文字,レッスン,筆ペン,書道教室,習字,渋谷区,恵比寿,

② ペンは、紙に対して60度くらいの角度になるように傾ける

ボールペンの場合、ボールが回転してペンからインクが出やすい角度は、60度から90度くらいです。

ペン字,美文字,レッスン,筆ペン,書道教室,習字,渋谷区,恵比寿,

この時に、小指の外側と小指球を紙の上にくっつけましょう。

ペン字,美文字,レッスン,筆ペン,書道教室,習字,渋谷区,恵比寿,

筆圧が強すぎたり、ボールペンを傾ける角度が足りないと、ペン先の中でボールが上手く回転せずにインクがたまり、線を引いた時にインクがドバッと出て、字がダマになってしまうこともあります(泣)

③ 線を引く前に、小指を「クッ」と軽く握る

小指を軽く握ることで、指の力が肘に伝わり、体の軸が安定して、線を引く体勢が整います。

④ 小指の外側を紙の上にスーッと滑らせるように、肘を引きながら線を引く

小指の外側で紙をこすっているような感覚で書いてみましょう。
小指に意識が行くことで、3本の指には力が入らなくても、スムーズにペンが運べるはずです。

下の画像のように、指先や爪の色が白くなっていたり、人差し指の第2関節が直角に曲がっているのは、指に力が入っている証拠。

ペン字,美文字,レッスン,筆ペン,書道教室,習字,渋谷区,恵比寿,

最初のうちは、筆圧が弱まることに不安を覚えて、つい人差し指に力が入れたくなってしまいますが、小指を意識することで「筆圧をかけすぎなくても、字は美しく書ける」ことを実感してみてください。

ペンの持ち方の解説動画ができました!
YouTubeでぜひペンの持ち方の再確認を!


【おまけ①】正しい持ち方をサポートするグリップを使ってみよう!

正しいペンの持ち方を習慣づけるためには、指を正しい位置に配置するの助けてくれるグリップに頼るのも一つの手です。

未就学児~小学1~2年生向けのグリップは数多く販売されていますが、実は大人向けのグリップというのもあります。ペンの太さに応じて、シリコンゴムを使ってペンがぐらつかないように調整も出来ますので、是非ご活用ください。


【おまけ②】筆圧をかけなくても書きやすいペンを使ってみよう!

ボールペンには、油性、ゲルインク、エマルジョンなど、様々なインクの種類があり、書き味もそれぞれ異なりますが、特に、ゲルインクタイプは、筆圧をかけなくてもインクが出やすいので、書く時にラクです。

おすすめのボールペンは、こちらの記事にまとめていますので、是非参考になさってください。

当教室のレッスンを受けた方からは、

・筆圧が強いために男らしい字だったのが、柔らかな字を書けるようになった
・会社の伝票やメモなどが、楽に書けるようになった

という声もいただいています。

会社名、住所、家族の名前、好きな人の名前(!)など、あなたの苦手なあんな字やこんな字も、美しく書けるコツをお伝えしています。

教室の雰囲気を味わってみたい方、自分の名前を何とかしたい!という方は、まず「ペン字・筆ペン1DAYレッスン」へ↓

継続して受講したい方、短期間でクセ字を直したい方は、全6回の短期集中の「ショートコース」から↓

ショートコースを終えた方は「実用コース」へ。宛名書きや一筆箋の文章書きなど、日常生活で活用することを想定した練習ができます↓

小筆を使って連綿線が美しい「続け字」が書けるようになりたい方、書道を基礎から習いたい方には、毛筆の趣味・実用コースもございます↓

「なんか違う」と思ったら、その違和感を言語化する

レッスン中、私が添削をするために、朱墨を付けた筆を持って生徒さんにじわりじわりと近づいていくと、生徒さんが残念そうな表情を浮かべて、私のことを見ながらこう言います。

「先生、上手く行きませんでした。なんかバランスが悪いんですよね…。」

うん、確かに。お手本と見比べると、どこか違和感がある…。

 

でも、この「なんかバランスが悪い」と思ってしまう「違和感」について、具体的に

「どこがどのようにバランスが悪いと思います?」

と聞いてみると、

「ん~…」

と黙り込んでしまう。

 

書道に限らず、「なんか違う」んだけど、それが何かが分からない…でも、モヤモヤして伝えられない…という経験ありませんか?

私もあります。書道のレッスンでは、その違和感を的確に伝えられるのに(仕事だから、出来なければ逆にマズい)、普段の生活では、「んあ゛ーーっ!」と心の中で謎の叫びをしたりとか、言葉に出来ないモヤモヤがたまることも度々。

「なんか違う」と思うことはとても大切。でも、そこからもう一歩踏み込み、「なんか違うこと」を掘り下げて、その違和感を言語化することは、もっと大切だと思っています。

 

ここで、サンプルを一つ。

一番左に書いてある【春】という字のお手本と、①と②の【春】の違いを見比べてください。
お手本と見比べて、変だな?と思うところはどこかを説明してみましょう。

書道教室,恵比寿,美文字,筆ペン,ペン字,習字

答えは、ブログの最後に!

 

字が上達するためには練習量も必要ですが、この違和感の正体をつかむことなく「なんとなく書けていない」状態を抱えたまま、ただ闇雲に書く枚数を重ねても、あまり意味はありません。

私のレッスンでは、この「違和感の正体を明らかにする」ために、どこがお手本と違うのかを、生徒さんの口から出来るだけ具体的にお話してもらうようにしています。
(というより、最近は、添削する前に「ここがお手本と比べて△△だったのでダメでした…」と的確におっしゃってくださる生徒さんの方が増えていて、心の中でニヤリとしています。)

つい、朱墨や赤ペンで先に添削したくなってしまうのですが、一方的に違いを指摘するよりも、生徒さん自らが言語化した方が、自分で点や線の位置関係を論理的に考えることが出来るようになり、身につくスピードが早まります。

まずは「自ら違いに気づくこと」を大切に、その気づきをサポートするのが講師の役割だと思って、レッスンをしています。

 

「違和感を言語化する」と一口に言っても、自分にしっくり来る適切な言葉を引っ張り出すためは、経験や語彙力、何か別のものに例えるための幅広い知識なんかも、きっと必要で。

日常生活の様々な場面でモヤモヤした状況があった時に、「そう!これよ、これ!」というスッキリと晴れ晴れした気持ちまで、自分の力だけで持っていくのは、難易度の高い作業な気がします。

字を何とかしたいけど、自分ではどうしたら良いか分からない時に、私たちのような書道講師がいるように、何とかしたいと思っても答えを出せない時は、どんどん人やモノの力を借りるのがオススメ。

気の置けない友人でも良し、友人に知られたくなかったり、面倒なことに巻き込んでいるようでイヤだなぁ…という場合は、第三者となるプロの講師やカウンセラーなどでも良いでしょう。相談することがそもそも面倒であれば、音楽や本やアートに触れることで、解決に向けてのヒントが得られることもあるかもしれません。

カウンセラーや講師という名のつく人であったり、作家やシンガーソングライターなど、表現をする人は「違和感を言語化する」ことで「心のモヤモヤを解消する」のも仕事の一つ。カウンセリング、指導、音楽、小説、エッセイなどは、「そうそう!私もこれが言いたかったんだよ!」という気持ちを得るためのサポートをする役割も担っていると思っています。

いきなり自分で言語化することが難しかったら、誰かが言ってくれている「違和感」に対して、共感することがまず第一歩。

日常生活で、相手に「なんとなく」伝えたことで誤解を与えてしまったり、面倒だから言うのをやめてしまったがために、更にモヤモヤするような出来事が自分に跳ね返ってきたりすることも、この「違和感を言語化する」力をつけることで少なくなるかもしれません。自分への大いなる戒めも込めて…。

 

<答え>
① 1画目~3画目、横画の線3本の長さが全て同じ、線の方向がすべて一緒(線にそりや伏せがなく、全て右上がり)
  左はらいと右はらいの角度が狭くて、下に伸びすぎている
  右はらいの最後、右へのはらう前に角度が変わっていない
  6画目~9画目、「日」の形が、ほぼ正方形になっている

② 全体的に線が細すぎる
  1画目~3画目、横画の線3本の長さが同じ、空間があきすぎていて、3本とも線がまっすぐ(線にそりや伏せがない)
  4画目の筆を置く角度が違う(穂先が左上ではなく、右上を向いている)
  左はらいと右はらいの角度が狭くて、下に伸びすぎている
  6画目~9画目、「日」の形が、横長の長方形になっている