今回で2回目となった、しら珠の手習い「ひらがなで美しく書く百人一首講座」。

課題は、

忍ぶれど 色に出でにけり 我が恋は ものや思ふと 人の問ふまで (平兼盛)

でした。

書道教室,東京,恵比寿,百人一首,かな,実用書,習字,ひらがな
書道教室,東京,恵比寿,百人一首,かな,実用書,習字,ひらがな

意味は、

人に知られないようにと内に秘めていたけれど、私が恋をしていることが、顔に出てしまったみたい。
何か物思いにふけっているの?と、人から尋ねられるほどに。

私、全然恋なんてしてません!てな顔してるけど、周囲から見たら、バレバレじゃん!という意味です。

こういう経験、多かれ少なかれ皆さんあるのではないでしょうか?
特にカンの鋭い女子は、

「何かいいことあったでしょ?」と、

友達に突っ込みを入れたり、逆に聞かれて素知らぬ顔できなかったり(苦笑)

この歌は、

歌人が歌を詠み合って、優劣を決める「歌合(うたあわせ)」という会で、最後に残った2首のどちらが勝つか…という段になって、主催していた村上天皇が、この歌をずっと口ずさんでいた…というエピソードでも有名です。

この時のお題が「忍ぶ恋」。

ちなみに、惜しくも負けてしまったのが、同じく百人一首に載っている、

恋すてふ 我が名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか (壬生忠見)

私が恋をしているという噂が早々に立ってしまった。誰にも知られないように密かに思い始めたばかりなのに。

どちらも、現代にありそうなお話ですね。

実は、この歌を選んだのには理由があって、ホロスコープ的には来週やって来る一大イベント

5月16日 天王星おうし座入り!

のことが、最近頭にずっとあって。

自分らしく五感に正直に生きることが、これからのスタンダードになっていく中で、色んなことを隠したところでどうしようもなくて、本音と建前みたいなものの垣根が無くなっていったり、正直に「顔に出てしまう」とか「思いが伝わってしまう」んじゃないかと思ったので、この歌を選びました。

という理由で、今回のブログのタイトルが、こうなった訳です。

小筆を使った練習では「実用書」「連綿線を生かした仮名」、ご希望に合わせて好きな方を学ぶことが出来ます。

連綿線を生かした仮名は、読みにくいのですが、先月のレッスンで「変体仮名」に興味を示した方が多かったので、街中で見つけた「変体仮名」でクイズを。

これは、新宿駅近くのとあるお店の暖簾ですが、

「追分だんご」の「ご」の形、何か変じゃないですか?
これが変体仮名なのですが、古(こ)に、濁点(゛)がついて、古゛(ご)と読ませています。

練習は、字単体の形だけに意識を向けていると、全体で俯瞰して見た時に、縦の流れが悪く見えてしまいます。
お手本を見ることも大切ですが、お手本に頼りすぎず、息を止めず(笑)呼吸するかのように自然な流れを作りながら書けるのがゴール。
縦の流れを美しく書くための筆慣らしをした後で、字を書き進めていきます。

書道教室,東京,恵比寿,百人一首,かな,実用書,習字,ひらがな
書道教室,東京,恵比寿,百人一首,かな,実用書,習字,ひらがな

最初は、書きながら意識を向けるところが多すぎて、少々パニックになりながらも、最終的には美しい流れのある作品が仕上がりました。

書道教室,東京,恵比寿,百人一首,かな,実用書,習字,ひらがな
書道教室,東京,恵比寿,百人一首,かな,実用書,習字,ひらがな
次回は、6月16日(土)13:00~から開催。
初めての方でも筆の持ち方から指導いたします。
日常の字を美しく書きたい方、和の文化に触れてみたい方、是非ご参加ください。

お申込み・お問合せはこちらまでどうぞ!