当書道教室のレッスンで「なぞり書き」をしない理由

先日の書道教室「書工房しら珠」のレッスンで、ひらがなの形が上手く書けず、行き詰まっていた生徒さんから、

「なぞり書きしてみてもいいですか?」

という質問が。

当教室のレッスンでは、毛筆もペン字も筆ペンも、基本「なぞり書き」をしませんが、禁止している訳ではないので、

「構いませんよ!」

とお伝えしました。

その後、上に紙をひいて何文字か書き進めていたのですが、途中で「んー、何か違う気がする!」と仰って、なぞり書きをすぐにやめてしまいました。感覚的に「なぞらない方が、後々に自分のためになる!」と思われたのだそうです。

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「美しい字を書く」という目標を叶え、一生ものにするためには「お手本を見る力を養う」ことがとても重要です。

具体的なお手本の見方は、以下の3つ。

・成功イメージ(お手本の字)をインプットする
・点や線の角度、長さ、位置関係を論理的に見る
・自分の字との違いを見極める

最初はお手本の見方に慣れないこともありますが、レッスンを重ねる度に、生徒さん自身が、自分の字とお手本の字との違いを発見出来るようになります。
 
なぞり書きは、

・自分の字とお手本の字を比較する機会が減るため、自分の字のどこが悪いのか気づきにくい
・線や角度をあまり考えずに、薄く書かれている字を追うだけの単純作業になりがち

という点で「お手本を見る力」を養いにくくなってしまうため、当教室では写し書き(お手本を見て書く)推奨しています。
 

お手本をじっくり見て

まずどこに筆を置こうか考えて

角度や筆圧をどうするか考えなら筆を運び

途中で角度や線の長さを間違えて、心が折れても

また気持ちを立て直して筆を運ぶ…

書く時には意識していないかもしれませんが、一つの字は、これだけの過程を繰り返しながら書いているのです。

なぞらないことは、一見すると遠回りに見えますが、字はこれだけ頭をフル回転させ、心も動揺させながら書いているのですから、頭と心を存分に使って覚えた字は、一生ものになるのは当然。

「お手本を見る力」を養うこと、頭と心に汗して字を書くことが、美しい字を身につけるための近道になります!

 

「書工房しら珠」では、毛筆、筆ペン、ペン字各種レッスンを取り揃えております。

「取引先へのお礼状を書かなければならない」
「オトナな雰囲気を持った字体で、手紙が書けるようになりたい!」

といった具体的なニーズにもお応えいたします。

書道教室〜レッスン内容〜

美しい字を書きたかったら「イケてる私!」を演じてみよう

最近、レッスンに来てくださる生徒さんから、

「書道を習い始めてから、普段の字を丁寧に書くことを意識するようになりました!」

という声を良く聞くようになりました。と同時に、

「今まで、どれだけ無意識に字を書いてたんだろう…」

とも。

日常生活に「書道の心」がさりげなく入り込んでいるのが、この上なく嬉しい!
そして、ここにまさに、字の上達の秘訣があります!

心理学や自己啓発関連の書籍やウェブサイトを見ると、

・無意識を意識化する
・マインドフルネスで『今』を意識する

などという話がたくさん出てきますが、書道で「自分の字」と向き合う時は、まさに、これらのことが重要になってきます。

書道に置きかえると、

「とめ・はね・はらい…一つ一つの動きを意識しながら書く」

これが、一番の上達の秘訣です。

いざ、書くときに、ビクビクしながら書いていては線も萎縮しますので、特に字を書くスピードを求められる場面でなければ、

「私は、美人女流書家!これから、周りが惚れ惚れするような字を書いてみせるわ!」

と、心の中で宣言し、

「美しく字が書けて、イケてる私☆」(←表現が古くてすみません…)

を演じてみるのです。それはもう大女優並みに!ここで大切なのは「自分を褒めながら書くこと」です。

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それだけでも、気分良く伸び伸びとした線が書けるようになってきます。是非お試しあれ♪

 

書道教室「書工房しら珠」では、お礼状の書き方や、暑中見舞い・年賀状など、字を書くことに関する各種お悩みも、レッスンで解決いたします。

日常生活で書く字を何とか美しく書きたい・・・というあなたは「ペン字・筆ペン実用コース」

書道教室〜ペン字・筆ペン実用コース〜

墨を磨りながら、心を落ち着けて書道に取り組みたいあなたは「趣味・実用コース」「趣味・創作コース」。

書道教室〜趣味・実用コース/趣味・創作コース〜

いずれのレッスンも、開講日に承っております。

書道教室〜開講日〜

お問い合わせは、こちらまでどうぞ。

【筆ペン1dayレッスン】名前を書くのは誰のため?

会社・役所に提出する書類やご祝儀袋など…自分の名前はほとんどの場合「誰かのために書くもの」だからこそ、お名前を書く行為は、誰もが「ないがしろに出来ないもの」「失礼があってはいけないもの」「だからこそ、ちゃんと書かなきゃダメな気がする」と思っているんですよね。

こちらは、先日の筆ペン1dayレッスンの様子。皆さん真剣そのものです。

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↑筆慣らしのグルグル、ジグザグも美しい!

 

全90分「筆ペン1dayレッスン」は、おおよそ以下のような流れで進行します。

10分 お手本なしでお名前を書く

20分 美しく字を書くためのコツを伝授(自分が書いた字をじっくりと見ながら、理論を頭に叩き込みます)

10分 休憩

20分 筆ペンで筆慣らし(太さが自由に操れるように、筆の動かし方・筆圧のかけ方を学びます)

20分 お手本をお渡しし、数回お名前を書く練習

10分 のし袋に清書して完成!

90分間ずーっとひたすらお名前を書いている訳ではないのです。
書くことの繰り返しで、美しい文字を身体に染み込ませることもとても大切ですが、理論をしっかりと入れることで、練習時間を短縮することが出来ます。
野球やテニスの素振りでも、

「闇雲に100回振るよりも、正しいフォームを覚えて1回振った方が確実に身につく」

と言われています。回数をただこなせば良いということはありません。
筆ペン1dayレッスンでも、お名前は10回も書きませんが、理論をしっかりとインプットしていれば、必ず結果は出ます。

 

今回のレッスン後は、

・苦手だと思っていた字が美しく書けて、名前を書くのが好きになりました
・余白を意識するだけで、字の印象がグッと大人っぽくなることに驚きました
・ちょっとしたコツをつかんだだけで、スイスイ書けてビックリ!

などの感想をいただきました。ありがとうございます。
自分の名前を満足に書けた時の、生徒さんの晴れやかな表情、自信にみなぎった眼差しが印象的でした。

 

名前をキレイに書けるようになりたい!
ペン字の練習に本格的に取り組みたい!
というあなたは、90分で必ず結果が出る「ペン字・筆ペン1dayレッスン」からどうぞ。受講を希望される方はこちらまで。
毎月更新している開講日からご希望の日時をご連絡ください。なお、土日祝日ご希望の方も、スケジュール調整出来次第承ります。

レッスンの詳細はこちらをご覧ください↓

書道教室〜ペン字・筆ペン1DAYレッスン〜

【ペン字・筆ペンショートコース】内容の一部をご紹介します!

今月から、ペン字・筆ペンの新メニューをスタートしましたが、早速生徒さんがレッスンに来てくださっています。

「初回は字を書きません!」

と宣言し、「直線」と「曲線」の書き分けを学びます。題材は、まさかのホロスコープ!

 

2回目以降、やっと漢字の基本点画を…。

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字をキレイに書く時に大事なのは、

「字の中心を知ること」

「永」の場合、2画目の縦画を真ん中にまっすぐ引けるかがポイントです。

ただし…。

「真ん中を意識すること」はとても大事なんですが、今日いらした生徒さんは、真ん中にとらわれすぎて、
字に本人らしい伸びやかさが無くなってしまっていました。

そんな時は逆に

「中心にこだわらなくていいですよ」

と、お伝えします。すると、書く時にリラックスでき、結果も後から自然とついてくるものです。字をキレイに書くための法則はありますが、それに気づくタイミングは前後しても構いません。

このレッスンでは、お手本通りにキッチリ書くことは、あまり重要視していません。大事にしているのは、

キレイな字にも、しっかりと自分らしさを残すこと

「字は人を表す」と言いますが、字を見る人が誤解ないように、本当の自分の内面が表せる字…になっていただけるのが目標です。

全6回完結「ペン字・筆ペンショートコース」の詳細はこちら↓

書道教室〜ペン字・筆ペンショートコース〜

豊~書道は最高の美容液!?~

【豊(ゆたか、ほう)】

元々の形は、穀物が豊かに実る様子を表わすので、穀物の部分をふくよかなイメージにして書いてみました。

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デザイン書道のワークショップや、筆ペン・ペン字の1dayレッスンなどで、「こんな方が参加したら楽しめるんじゃないかしら?」と想定した中に、

「好きな芸能人の名前の一文字を書いて、眺めながらニヤニヤしたい方」

と、こっそり書いております。

例えば、竹野内豊を好きな人が(水谷豊とか武豊とか山川豊でもいいんです)楷書体で書いた「豊」を飾ると「いかにも」な感じになってしまうけれど、デザイン要素を入れてみると、人知れず「豊」を眺めてニヤニヤ出来ます。

好きな人の字を書く時は、相手のことをより強く思うから、絶対に適当には書けません。
下手なことが出来ないからこそ、より思いがこもります。

書道は、幸せホルモンと言われるドーパミンが放出されるとも言われるので、好きな人のことを思いながら書を嗜むのは、最高の美容液になります♪

【ペン字・筆ペン1dayレッスン】「子」を書くのが好きになりました!

先日の書道教室「書工房しら珠」のお名前書きレッスンで、

「レッスンのおかけで『子』を書くのが好きになりました!」

という嬉しいお言葉をいただきました。

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「上達しました」という言葉をいただくのも嬉しいのですが、それ以上に「好きになった」と言っていただけて、心にガシガシ響いた私は涙目(T_T)

「字の上達」は、書道を教える者として当然の役割ですが、まずは「字を書くことを好きになってほしい!」という想いでレッスンしています。

毎回のレッスンでも直筆のお手本を書いていますが、生徒さんには、お手本そっくりに書くよりも、字の基本ルールを学んでもらいながら、その人らしさが字に存分に出ること、想いのこもった字が書けるようになることがゴールの一つだと思っています。

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↑なぞり書きを全くしなくても、たった一度のレッスンで、見違えるように字が変わります。

全国ウン百万人の○子さん、金子さん、益子さん、庄子さんなど、苗字に「子」をお持ちの方必見!
90分で必ず結果を出す「ペン字・筆ペン1DAYレッスン」は、お手本2種つきです。

書道教室〜ペン字・筆ペン1DAYレッスン〜

通常、書道教室「書工房しら珠」の開講日にレッスンしておりますが、土日祝日をご希望の方もお問い合わせください。

書道教室〜開講日〜

お申し込み&お問い合わせはこちらまで。

ものまねタレントの芸から臨書を考える

先日、急に、何故だか全く分からないのですが、
「神奈月がマネする武藤敬司って、実物と比べると似てないけど(←失礼)やっぱり、似てるよなぁ…」
と、ぼんやり思っていたのです。

 

書道で必要な学習の一つが、臨書(りんしょ)
日本や中国の古くから伝わる古典を真似て書くことですが、多くの著名な書家が、同じ古典を臨書した作品を見てみると「本当に同じ古典を見たのかしら?」と思うくらい、見た目が全く違ったりします。

でも、やっぱり似ているんですよね。それは、
筆遣いや字形はもちろんのこと、時代背景や人物像等々、あらゆる面から作品を学んでいるから。
 

書家によって、

作品や人柄のどこを見ているか?
自分がどこにシンクロしているのか?

の違いが、見た目の違いとなって、様々な表現が生まれるのだと思います。

 

で、さっきの神奈月…というかモノマネの話に戻ると、例えば「森進一」のマネする人は数あれど、様々な面から研究しつくした上で、シンクロする場所が違うから、

色々と似過ぎて、感動の域に達するような芸をする人もいれば(コージー冨田、青木隆治タイプ)
自分なりのエッセンスを入れて、面白さを追求する人もいます(コロッケ、神奈月タイプ)

どんな振り幅があっても、本人への尊敬の念や大好きという気持ちが伝わってくるのは、見ていても面白いし大好きです。

・相手を様々な面から研究すること
・作品や人物へのリスペクト
・シンクロのしかたと表現のしかた

このような最低限のルールがあれば、表現のしかたは人それぞれでいいじゃない!という面で、臨書との共通点を感じたのでした。

 

今日は王羲之の「蘭亭序」の臨書をしています。


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「蘭亭序」は、曲水の宴で王羲之が酒に酔っていた時に書かれたもの(しかも本番ではなく草稿!)。もっとラフに肩のチカラを抜いて書くと、より近づけるのでは?と思います。