結局はやっぱり「基礎の積み重ね」が自分を成長させる

モンスターハンターというゲームをご存じでしょうか?

カプコンから発売されている、雄大な自然の中でモンスターを討伐するアクションゲームシリーズで、オンライン接続することで最大4人のチームを組んでモンスターに立ち向かうこともできる・・・というゲームです。

http://www.capcom.co.jp/game/content/monsterhunter/about

会社員だった頃、社内でモンハンが流行していて、私も、PSPを片手に会社の同僚とチームを組み、お昼休みや仕事の後に度々狩りに出かけていました(狩りに出る=モンハンのゲームをすること)。

ゲームはとても楽しかったのですが、最大の欠点が、そもそも私のゲームスキルが異常に低かったのと、何をどうしたら強くなるのかあまり把握してなかったこと。

音ゲーやリズムゲーは比較的得意なので、感覚的に操作の仕方が分かったりするのですが、RPGやアクションゲームは、地図が覚えられないとか、自分がどこにいるか分からなくなるとか、「あんた、そこから?」というレベルの致命的なセンスの無さでした。でも「なんか楽しそう!」という雰囲気だけで遊んでたのだけど…。

そんな状況だったので、チームで戦う時は、私の戦力はゼロというよりは、足手まといになるためむしろマイナスになるという有様。よって、モンスターが現れた時は、私は基本狩りの場にいることはなく、

「目時さん、隣のフィールドで薬草取ってていいですよ♪」と言われ、

他のメンバーがモンスターの討伐を終えて、

「目時さん、終わったんで肉取りに来てください!」という声を聞くと、有難く報酬の肉の塊をいただく。

その時は「やった!アイテム増えた!」と嬉しい気分になるのですが、それが続くと、やはり少し後ろめたさが出てくるのです。

それも当然。結局は自分の努力ではなく、周囲の人のお膳立てによって引き上げてもらった場所だから。

基礎がない状態で外に放り出されて何も出来ずに立ち尽くし、いきなり上級アイテムをゲットしたところで、自分のレベルが追いついていなければ全く使いこなせない。当たり前ですが、土台が出来ていない状態で上のステージに駆り出されても、本来のゲームを楽しみ尽くすことは出来ないのです。

 

どうしてモンハンの話をしているのかと言うと、先日のレッスンのある出来事で、「やっぱり自分を成長させるには、基礎を固めて土台をしっかり作るのが大事!」と思った時に、ふと頭を過ぎったからなんですが…。

 

先日のペン字のレッスンで、生徒さんから、

「最初にやった『ショートコース』のテキストをもう一度やってもいいですか?」

という要望がありました。

当書道教室のペン字コースは、

体験レッスン(90分)を受けていただいた後に、

漢字・ひらがなの基礎中の基礎を学べるショートコース(60分×全6回)を受講していただき、

その後、基礎に加えて、バランス良い文章の書き方を学ぶ実用コース(60分×月2回)に進むのが通常の流れなのですが、

実用コースに入って数ヶ月経っているこの生徒さんは、ひらがなをもう一度徹底的に学びたいということで、一段階前に戻って、再度ショートコースのテキストに取り組むことにしました。

レッスンを継続していくのにあたって、新たな課題が見つかるということは、技術がかなり上がってきている証拠。自分のレベルが上がるに従って「もっとここをこうしたい…」というポイント(=アラ)が見えるようになってきます。

当教室では、基本のカリキュラムは用意していますが、生徒さんそれぞれのスピードで、各自が設定したゴールを目指すことを大事にしています。レッスン内容もその人に合わせてカスタマイズしていることが多いので、誰かと賞や段級を争うこともありませんし、隣の人や周りの人を見て「あの人は上手いけど私は…」などとあせる必要も全くありません。

この生徒さんは、モンハンに例えると、充分な装備と実力を身につけてから万全の体制で狩りに出かけたい!ということなので、その体制を整えるまでには多少時間はかかるかもしれませんが、これからの狩りはきっと楽しいものになる(=基礎固めによってレッスンの成果は必ず出る)はずです。

自分を成長させるための基礎固め、土台作りをするためには、

・目標を設定する(「基礎を固めた先に何をしたいか?どうなっていたいか?」を考える)
・正しい基礎を身につける(間違った型をひたすら100回繰り返すよりは、正しい型を10回やった方が身に付く)
・細く長くで構わないから、身につけた基礎を反復練習をする(型を体で覚える)

・基礎が無意識に出来るようになるまで(自転車に無意識で乗れるようになった感覚…になれたらシメたもの)

・基礎を身につけたと思っても、もっと良い方法があるはず!と常に模索する

…ということが大事だなぁと。自分への戒めも十二分に込めて。

書道教室,恵比寿,渋谷区,習字,美文字,ペン字

会社を辞める決断をするまでの1週間、何をしていたか?

先週公開された及川智恵さんのインタビュー企画「生き方辞典」。「読みました!」という声を多くいただきました。ありがとうございます。

https://www.oikawachie.com/interview_metoki/

あんなに「会社が嫌だ」「逃げたい」「つらい」と連呼していたのに、意外と元会社関係の方々の反応が多かったりして、正直驚いております。今も気にかけていただいて嬉しいです。

 

「会社を辞める決断するまでの1週間」が結構大きくフォーカスされていますが、自分でも記事を読み直している中で、具体的にこの1週間をどのように過ごしたのか思い出してきたので、振り返ってみます。

 

以下、だいたい時系列順です。

 

■過去に言われて嬉しかったこと、心の中で引っかかっていたことを思い出した

自分が切羽詰まっている状況に思い出したのが、仕事をしている自分とは全く違う視点から見て「人から自分がどう見えているか?」ということだったような気がします。どうしてもこういう時は、自分のダメさ加減を責めて視野も狭くなりがち。なので、過去を振り返りながら「自分の良いところ探し」のようなことをしていました。だいぶ、現実逃避的ではありますが…。

その時にふと思い出したのが、数年前にグループ展に出品した作品を見た方に「これ仕事にしたらいいのに!」と言われたことや、実生活で字を褒められたり何かと役立つ機会が多かったことなど。なぜか書道に関することがほとんどでした。

また、インタビューにもあった、好きなことを仕事をしている方々との出会いや知人の死など、「自分の年齢」と「年齢に合った生き方」みたいなものを何となく天秤にかけていたのもこの時期です。

 

■SNSを始めた

ほぼ時を同じくして始めたのがSNS。自分の創作意欲がむくむくと湧いてきていた時期で、見ず知らずの人が作品を見たらどんな反応をするのかしら?という興味が出てきたのと、作品をアップしてみたら?という勧めもあり、TwitterとFacebookのアカウントを取りました。

当時は書道で仕事もしていなかったし、作品を見てもらう人と言えば、グループ展にいらっしゃった方以外は特になかった状況。でも、この前の年に、当時勤めていた会社で作品を展示する機会があり、色んな評価をいただいたのが面白かった…というのも、SNSを始めたきっかけになっていたかもしれません。

 

■小旅行に出かけて頭がからっぽになった

この頃、仕事がクソ忙しい時期だったのですが、週末に旅行に出かけています。確か1泊2日くらい。小高い山を登って、近隣の神社仏閣を訪ねる以外は、古民家の宿で畳に寝そべりながらただひたすら「ぼーっと」して、美味しいご飯とお酒を楽しんでいました。本当に頭がからっぽになりました。

 

■書道で何かやれるかも?と思い始めてリサーチ開始

旅行からの帰路、普通は「リフレッシュ出来たから、明日から仕事を頑張るぞ!」とか「会社行くのしんどいなぁ…」となるんでしょうが、からっぽになった頭の中に最初に入ってきたのが「もしかして、書道を通じて嬉しかったことや役立ったことって仕事になるのかなぁ?」ということ。帰路もケータイで何かしらリサーチしてたような。すぐに頭の中でシミュレーションが始まりました。

「これ仕事にしたらいいのに!」と言われた当時、「いやいや、仕事だなんて…」と思ったまま数年寝かせていたことが、このタイミングで日の目を見ることになるとは…。

 

■「気力」と「体力」と「お金」のバランスを考えた

書道を仕事にするからには「続ける」ことが前提なので、この3つは考えながらリサーチ&生活シミュレーションをしました。この時に、会社をスパッと辞めて専門学校に1年通ってから始めたら出来るかもしれない…!という目途が何となく立ったような。でも、今思うとかなり雑なシミュレーションです。会社辞めたいから、そっちの方に寄せた、都合の良い解釈が多々(苦笑)

3つのうち「極端にどれかが突出している」とか「極端に不足しているものを補完できる術がない」という状況だと、勢い良く始めても、途中でポキンと折れてしまうかもしれない…と思っていました。お金がなくても、気力と体力で乗り越えられるということもあると思うのですが、私は3つのバランスを考慮しました。

こればっかりは、たらればの話になりますが、私の場合は、あと10年遅かったら、体力と気力が持たずにキャリアチェンジ出来なかったかもしれないなぁ…と、ぼんやり思ったりします。

 

■とは言え、考え過ぎてもしょうがないから、結局「勢い」で決めた

最終的には「まぁ、考えてばかりいてもしょうがないし、あとは学校に通いながら決めればいっか!」という、根拠のない自信で腹を括って、会社を辞めることにしました。

 

以上、ここまでで、だいたい1週間です。

 

会社を辞めて書道の仕事をするという話を周囲にした時は、そもそも書道をしていることを知らない人が大半だったので「ぽかーん…」とされたことが多かったのですが、書道をしていることを知っている人からは、

・その方が向いている気がする
・今がしんどそうだったから、女性らしさがある仕事でかえっていいかも
・ほらね

など、大して驚きもなく、意外にも「まぁ、そうだろうね」という反応でした。こういう反応があったのは本当に有難いことなのですが、これも「何とかなるんじゃない?」という根拠のない自信に(良い意味で)さらに輪がかかっている要因だったりしますし、今もしんどいことは多々ありますが、仕事をしていく上での大きなモチベーションになっています。

出来事の一つ一つは体に衝撃が走るほどの大きなことではないけれど、それを拾うかスルーするかで道が分かれていたように思います。

こうやって振り返ると、誰にも相談せずに一人で決めたのは確かにそうなのですが、その伏線として、色んな人や出来事が関わっているおかげで今があるなぁ…と、本当に感謝しています。

 

が、このやり方はオススメできるものではありません。だいたい生活シミュレーションが相当雑だし、家庭がある人は様々な要因が絡まるでしょうし…。

実際にギアチェンジするタイミングは人によって全然違うと思います。私はたまたま40歳でしたが、20代かもしれないし、60代を過ぎてからやってくる人もいるかもしれない。また、会社にいながらにしてやれること、いっそのこと辞めてからやった方がいいこと、という選択肢もあると思います。

考え方や生き方が多様化している現代社会では、今の場所にとどまる選択以外にも、あらゆる可能性を消さずに別の選択肢も頭の片隅に少し置いておく、ということは大事なような気がしています。

そして、いざという時、論理的な部分だけに頼らず、気持ちや直観で「エイヤ!」で物事を決められる覚悟、気持ちの高ぶりを寝かせずに勢いを大事にして突き進む、ということがあっても良いのかもしれません。

 

【退】
私の場合は、今までの場所を退くことも、退路を断つことも大事だったんだと思います。

筆文字,現代アート,書道

気持ちがコントロールできれば、筆のコントロールもできる

毛筆のレッスンをしていると、同じお手本でも様々な書き方をする生徒さんがいらっしゃいます。

「字は心の表れ」と言われていたり、筆跡鑑定というジャンルが存在しているように、書いた字には、その人本来の性格や、その時々の調子・気分が存分に反映されるもの。

「今、○○な気持ちで書いてませんでした?」と問いかけると、
「あれ?バレました?」

という返事が生徒さんから返ってくるのがほとんど。それだけ、字から読み取れる情報は多く、その時の心理状況や性格的なものも意外と当たっていたりします。

これが「え?先生、占い師なの?」とか言われてしまう所以なのですが、
(占い師疑惑のエピソードは、以前の記事「気持ちが収まると字が収まる」をご覧ください)
今回は、生徒さんが書いた字や、生徒さんとの会話を通じて感じた、心理状況や性格的な特徴を挙げてみました。

自分に集中して字を書くことを通じて、自分の意外な一面が発見出来たり、普段の生活でより意識を向けた方が良いポイントが見えてくるかもしれません。

 

■後半に行くにしたがって、字が小さくなりメリハリがなくなる


スタートダッシュは良いものの、後半失速するタイプ。瞬発力は高いのに力の配分が上手くいかず、早い段階で力を使い切ってしまって、後半どうでもいいや…と思ってしまうことも。息を止めてゆっくり時間をかけすぎて書いている可能性もあります。書く時はリズム感とスピード感を大切に。

 

■最初は字が小さめだが、尻上がりに字のバランスが良くなる


スロースターター。エンジンがかかりにくく、調子が出るまでに時間がかかるタイプ。「能ある鷹は爪を隠す」じゃないですが、本来実力はあるのに、すぐに表に出し切れないままでいると、「ねぇねぇ、その爪いつ出すの?」ということになりかねません。
せっかく良い素質があるのですから、起筆(書き始め)も自信を持って思い切り良く、最初かパーン!と自分を表に出して書きましょう。

 

■全体的に字が小さい


慎重な性格の持ち主。または、何らかの理由で気持ちが萎縮していたり、自信をなくしていたり、疲れが出ている時期かもしれません。理性的で自分を抑えるクセがついていて、何かやらかして注意されるくらいなら、目立たずに大人しくしていようか…と思っている可能性も。とめ・はね・はらいも弱くなる傾向もあるので、一画一画書く度に、丹田に力を入れることをより意識しましょう。

 

■全体的に字が大きい


チャレンジ精神が旺盛ですが、後先考えない傾向が。思い切りが良いので、線質には勢いがありますが、はねが少々雑になりがちなのもこのタイプ。物事を始める前は、勢いに任せすぎず、周囲の状況を自分なりに少し整理して、一呼吸置いてからゆっくりスタートしましょう。内なるパワーは沢山ある人なので、最初から最後まで長く穏やかな力を出せるように意識しましょう。

 

■途中で諦めてしまう


完璧主義なところがあります。1ヶ所失敗してしまうと、もうこの結果はダメだと決め付けてしまって、勝負をしない傾向があります。まずは、結果はどうであれ最後まで続けることが大事。フィギュアスケートの選手がジャンプを失敗しても途中で辞めずに最後まで滑るのと一緒です。一度失敗したくらいで投げ出さず、平均値を上げていくことで結果を残すことも考えましょう。

 

筆には、などの動物の毛が3000本近く使われていると言われています。
書道は、これらの3000本もの毛を総動員して、太さ細さなどをコントロールし、色々なところに気を配りながら書く訳ですから、本当に大変な作業です。字の美しさを保つために、少々の失敗にも動じない心や、最後まで作品を書き続ける持久力などなど…身につけておきたいことは沢山あります。

書工房しら珠のレッスンでは、書く前にゆっくりと墨を磨る時間を設けています。これは、自分なりに気持ちを整理し、落ち着いた精神状態で字を書けるようにするため。墨を磨りながら仕事のグチが出てしまうこともありますが(笑)それもベストな状態で書道に取り組むための大切な準備だと考えています。

数年前から話題になっている、マインドフルネスや禅の思想にある「今、ここに集中する」ことで、自分がどんな感情を抱いているか、その心理状態などを観察することができ、ネガティブな感情に気づいて修正することもできます。
自分の感情を見つめることは、普段はつい見逃してしまいがちですが、この繰り返しが、心の安定や自分の本来の力を出すことにも繋がります。

私も、作品制作の時は、途中で「あ゛ーっ、違う!」と放り出したり、書いた字を見て「気持ちが全然入ってない」など良くやらかしているので、大それたことは本当に言えないのですが…。

日常生活において自分の力を100%出し切る訓練、自分の感情をコントロールする訓練には、やはり書道はオススメです。

その訓練は、書工房しら珠の「趣味・実用コース」と「趣味・創作コース」で!

書道教室〜毛筆コース〜


「なんか違う」と思ったら、その違和感を言語化する

レッスン中、私が添削をするために、朱墨を付けた筆を持って生徒さんにじわりじわりと近づいていくと、生徒さんが残念そうな表情を浮かべて、私のことを見ながらこう言います。

「先生、上手く行きませんでした。なんかバランスが悪いんですよね…。」

うん、確かに。お手本と見比べると、どこか違和感がある…。

 

でも、この「なんかバランスが悪い」と思ってしまう「違和感」について、具体的に

「どこがどのようにバランスが悪いと思います?」

と聞いてみると、

「ん~…」

と黙り込んでしまう。

 

書道に限らず、「なんか違う」んだけど、それが何かが分からない…でも、モヤモヤして伝えられない…という経験ありませんか?

私もあります。書道のレッスンでは、その違和感を的確に伝えられるのに(仕事だから、出来なければ逆にマズい)、普段の生活では、「んあ゛ーーっ!」と心の中で謎の叫びをしたりとか、言葉に出来ないモヤモヤがたまることも度々。

「なんか違う」と思うことはとても大切。でも、そこからもう一歩踏み込み、「なんか違うこと」を掘り下げて、その違和感を言語化することは、もっと大切だと思っています。

 

ここで、サンプルを一つ。

一番左に書いてある【春】という字のお手本と、①と②の【春】の違いを見比べてください。
お手本と見比べて、変だな?と思うところはどこかを説明してみましょう。

書道教室,恵比寿,美文字,筆ペン,ペン字,習字

答えは、ブログの最後に!

 

字が上達するためには練習量も必要ですが、この違和感の正体をつかむことなく「なんとなく書けていない」状態を抱えたまま、ただ闇雲に書く枚数を重ねても、あまり意味はありません。

私のレッスンでは、この「違和感の正体を明らかにする」ために、どこがお手本と違うのかを、生徒さんの口から出来るだけ具体的にお話してもらうようにしています。
(というより、最近は、添削する前に「ここがお手本と比べて△△だったのでダメでした…」と的確におっしゃってくださる生徒さんの方が増えていて、心の中でニヤリとしています。)

つい、朱墨や赤ペンで先に添削したくなってしまうのですが、一方的に違いを指摘するよりも、生徒さん自らが言語化した方が、自分で点や線の位置関係を論理的に考えることが出来るようになり、身につくスピードが早まります。

まずは「自ら違いに気づくこと」を大切に、その気づきをサポートするのが講師の役割だと思って、レッスンをしています。

 

「違和感を言語化する」と一口に言っても、自分にしっくり来る適切な言葉を引っ張り出すためは、経験や語彙力、何か別のものに例えるための幅広い知識なんかも、きっと必要で。

日常生活の様々な場面でモヤモヤした状況があった時に、「そう!これよ、これ!」というスッキリと晴れ晴れした気持ちまで、自分の力だけで持っていくのは、難易度の高い作業な気がします。

字を何とかしたいけど、自分ではどうしたら良いか分からない時に、私たちのような書道講師がいるように、何とかしたいと思っても答えを出せない時は、どんどん人やモノの力を借りるのがオススメ。

気の置けない友人でも良し、友人に知られたくなかったり、面倒なことに巻き込んでいるようでイヤだなぁ…という場合は、第三者となるプロの講師やカウンセラーなどでも良いでしょう。相談することがそもそも面倒であれば、音楽や本やアートに触れることで、解決に向けてのヒントが得られることもあるかもしれません。

カウンセラーや講師という名のつく人であったり、作家やシンガーソングライターなど、表現をする人は「違和感を言語化する」ことで「心のモヤモヤを解消する」のも仕事の一つ。カウンセリング、指導、音楽、小説、エッセイなどは、「そうそう!私もこれが言いたかったんだよ!」という気持ちを得るためのサポートをする役割も担っていると思っています。

いきなり自分で言語化することが難しかったら、誰かが言ってくれている「違和感」に対して、共感することがまず第一歩。

日常生活で、相手に「なんとなく」伝えたことで誤解を与えてしまったり、面倒だから言うのをやめてしまったがために、更にモヤモヤするような出来事が自分に跳ね返ってきたりすることも、この「違和感を言語化する」力をつけることで少なくなるかもしれません。自分への大いなる戒めも込めて…。

 

<答え>
① 1画目~3画目、横画の線3本の長さが全て同じ、線の方向がすべて一緒(線にそりや伏せがなく、全て右上がり)
  左はらいと右はらいの角度が狭くて、下に伸びすぎている
  右はらいの最後、右へのはらう前に角度が変わっていない
  6画目~9画目、「日」の形が、ほぼ正方形になっている

② 全体的に線が細すぎる
  1画目~3画目、横画の線3本の長さが同じ、空間があきすぎていて、3本とも線がまっすぐ(線にそりや伏せがない)
  4画目の筆を置く角度が違う(穂先が左上ではなく、右上を向いている)
  左はらいと右はらいの角度が狭くて、下に伸びすぎている
  6画目~9画目、「日」の形が、横長の長方形になっている

手書き文字は、叶えたい目標を達成するきっかけを与えてくれる

今や、何でもデジタル化(←死語?)され、近い将来、あらゆるものがAIに取って代わるのでは?と言われるこの時代。そんなデジタル化の波に押されて、手書き文化も廃れてきた…ということも耳にします。

「いや、手書きは絶対に必要だ!」
「手書き文化は無くならない!」

と、(私も含め)全国の書家、書道講師の皆さんが日頃から口酸っぱく言っていますが、正直なところ、仕事の資料などはタイピングした方が楽に作れるし、レイアウトも綺麗だし、時間も省略されるし…デジタルの恩恵を存分に受けているのも事実。

一方で、毎年秋頃から発売される手帳が無くなることはなく、むしろ様々な種類が発売されていますよね。年々売れ行きも伸び、売り場も拡大の一途。本当に手書きって良いことがあるの?というギモンが出てきますが、ここで一つのデータをご紹介します。

「手書きで目標を紙に書き、誰かに伝え、説明し続けた人は、そうでない人に比べ、目標達成率が33%高い」(ドミニカン大学・Gail Matthew氏)

個人事業主として仕事をしていく上で、ビジネスや自己啓発の本を良く読みますが、スケジュール管理や将来の目標設定は「紙に書きなさい!」と書かれているのが実に多い!

テスト勉強は書いた方が頭に入る…とか、スケジュールは手帳に書かないと気が済まないという方も多いかと思いますが、この一文を見るたびに「でしょ?だから言ってるじゃないのー!」と、いつも思うのですが…。

手書き文字は、自分の手を動かして文字を視覚化することで、脳が、行動に移すためのきっかけ作りをしているのです。

人間というのは、何かが必要だと言われたら、データや研究結果など、数値的なところから必要な理由を探してしまうもの。でも、数値云々は抜きにして、私が思う手書きの良さはこれに尽きます。

手書き文字,ペン字,書道教室,効果,願いを叶える,書道教室,恵比寿

書道教室で行うレッスンや各種講座では、書くことで得られる様々な効果もお伝えしますが、講座にいらした方には、想いの込もった字を書いて、最大限にあなたの魅力を輝かせるきっかけをつかんでいただきたいと思っています。

 

———

目時白珠 Facebookページ

目時白珠 Twitter

目時白珠 Instagram

※フォローはご自由にどうぞ!

出版・テレビ・雑誌等各種メディア、企業向けの筆文字ロゴ制作、団体研修、取材等の各種お問い合わせは、こちらまでお願いいたします。

書道教室の選び方は、恋愛や就活と一緒!?

おかげさまで、体験レッスンのお問合せを頂く機会が増えてまいりました。ありがとうございます。

当書道教室「書工房しら珠」では、毛筆120分レッスンのコースが一番人気なのですが、体験レッスンにいらした方からいただく質問で多いのが、
 

「書道教室を選ぶ時のポイントは何ですか?」

 
ということ。

数多ある書道教室の中から、自分に合った教室を探すのはとても難しいことですが、主に、以下の要素が判断材料になるかと思います。
 
・アクセス(場所)
・受講料(お金)
・指導内容(教育・マネジメント)
・講師のプロフィールや経歴(スペック)
 
ただ実際のところ、書道教室選びは皆さん真剣そのもの。これらの要素の絞り込んだ上で、質問なさってくる方がほとんどです。

 

その時は、
 
「お手本の字を見て『こんな字が書けるようになりたい!』と思えるかどうか、です」
 
とお伝えしています。

 

これは、まさに恋愛や就活と一緒なんじゃないかと。

 

例えば、恋愛だと、

・経済的に安定した人とお付き合いしたいなぁ(お金)
・イケメンで、高学歴の人だったら安心♪(スペック)

就活だと、

・通いやすい場所がいいなぁ(場所)
・研修や福利厚生はしっかりしているかなぁ(教育・マネジメント)
・有名な企業や大企業に就職したいっ(スペック)

などなど条件はあれこれ考えますが、結局は…

「やっぱり、お前が好きなんじゃー!!」

という気持ちには敵いません。

スペックがいくら良くても、根底の「好き」という気持ちが盛り上がらなければ長続きしませんし、反対に、紆余曲折ありながらも、「好きなものに少しずつ近づいていく」過程を楽しんでいった方が、喜びは大きいもの。

書道のお手本も、書く先生によって字の雰囲気は様々。教室を開いている先生方は、当然、長年に及ぶ鍛錬を積んでいらっしゃいますので、技術力だけで判断するのは逆に難しいところだと思います。

となると、習い事として続けていくモチベーションを保つには、やはり、

「お手本の字が好きかどうか」
「見ていて『書いてみたい!』と思う字か」

がポイントになると思います。

ネットなどで気になる教室を見つけたら、まずは先生のお手本を見るのをお勧めします。

書工房しら珠では、開講日・課題のお知らせや公式ウェブサイトの新着情報で、お手本や作品をアップしておりますので、教室選びに迷われた時の判断材料にして頂ければと思います。

 

↓今月のお手本、こちらにも貼っておきます。

書道教室,東京,恵比寿,渋谷,習字,手本書道教室,東京,恵比寿,渋谷,習字,手本

体験レッスンは、教室の雰囲気を味わえるのはもちろんのこと、お見合いのように、お互いの希望をマッチングする大切な機会だと思っていますので、お気軽にお問合せください!

 

—————–

恵比寿の書道教室「書工房しら珠」一番人気の「趣味・実用コース」「趣味・創作コース」

只今体験レッスン受付中!(1回2,000円/120分)

お問い合わせはこちらまで!

一旦書道を辞めて、遠回りしたからこそ出来ること

いよいよ個展まであと1週間。
ハガキサイズのDMを作ったのですが、

個展のチラシ置くよ!とか、友達分に何枚かちょうだい!と、声をかけて下さる方もいて嬉しい限り(・∀・)
ありがとうございます!
 

チラシ制作や今使用している名刺は、家内制手工業ですが(自分でパソコンでパチパチしてます)、これが出来ているのも、書道漬けだった生活から離れて、書道とは全く関係ない仕事をしてきたからこそです。
 

大学を卒業して最初の会社を、会社都合で退職になった後、紙媒体のデザインやレイアウトをする、DTPデザイナーという仕事に興味を持っていた時期がありました。

結局、その仕事に専門職として就くことはありませんでしたが、自分でDTPの勉強をしつつ、印刷会社で営業事務をしながら、印刷の仕組みやソフトの使い方を学び、それ以降に転職した会社でも、ちょっとしたチラシやポスターのデータを作る機会に度々恵まれました。
 

今はもちろん、様々な仕事を専門の方にお願いすることも多いですが、個人事業主として仕事をする上で、最初の段階では、ある程度自分で出来ることが多いのはプラスに働くと思っています。

自分のイメージを形にするのを他人任せにし過ぎないことは、自分の思いをブレ無く表に出すための訓練にもなりますし、もっと現実的な話で行くと、潤沢な予算が無かったり、収入が不安定な起業時は、外注せずに出来ることがあるのは、費用を抑えられるという面でメリットが大きいです。
 

イヤなことは無理してやる必要はないけれど、これがやりたい!という強烈な思いの有無に関わらず、

「少しでもココロが動いて、イヤじゃなかったら、とりあえずやってみる」

ことは大事だと思います。
 

どこで何が役立つことになるか、分からない!
もしかしたら、後々大好きになるかもしれない!

仕事をしていく上での視野が確実に広がります(^_^)
 

目時白珠 2nd exhibition “One”
会期:2017年1月23日(月)~2月5日(日)※現在は終了しております
時間:平日18時~26時/日曜:18時~24時
会場:dolce wine cafe Vinsanto
150-0021 東京都渋谷区恵比寿西2-1-7

※個展の作品の一部は、こちらからご覧いただけます。