古希を迎えたジュリーは果敢に攻めまくっている

待ちに待ったジュリーの武道館ライブに行ってきました。

沢田研二,ジュリー,武道館,古希,OLD GUYS ROCK

アラフォーの私がなぜ2年前にジュリーにはまったのか、そのきっかけなどは過去のブログ記事をご覧いただくとして。

ジュリーのライブは、一昨年の東京国際フォーラムに続いて2度目。
前回のツアーは、デビュー50周年にちなんで「シングル50曲を1番だけ歌う」というコンセプトだったので、超新参者でも何とか曲についていけてたのですが。

今回は、事前に曲を予習しようにも「50年のジュリーの歴史の中から、何聞いたらいいんだ…」と少し途方に暮れ(日本史のテストのヤマをはるにも、時代も広すぎるし、どこから手を付けたら良いか分からない…みたいな感覚)、最終的には「ま、聞かなくても何とかなるだろう!」と吹っ切って、当日を迎えました。

実際にライブが初見という曲も結構あったのですが、ライブでありがちな「曲が分からないから楽しめない」なんてことは全くなく、予習不足の不安はただの杞憂でした。

全く衰えも見せず、何なら渋みが更に加わって、めっちゃカッコ良すぎる70歳のロッカー&エンターテイナーは見どころが盛りだくさん。

・リリース当時の楽曲のキーを変えてない
・斬新でド派手な衣装は、往年のジュリーのイメージそのまま
・縦横無尽にステージをまわり、たまにはぴょんと飛んだりもする
・プロンプターもイヤモニも使わない
・ライブの後半に向かって、声がどんどん伸びやかになっていく
・MCのテンポとセンスが絶妙、ドリフの番組で軽妙なコントをしていた頃を思い出させる
・ハッキリとした奥行きのある声で、初見の歌でも歌詞がすんなりと入ってくる

などなど、本当に感動と驚きの連続でした。

あの広い武道館で、ボーカル&ギターのみという超シンプルな構成をやり切れるミュージシャンって、そうはいないと思う。
劣化だとか太っただとか見た目をいろいろ言われるけど、海外でOVER70でもカッコよく活動しているエリック・クラプトンとか、ポール・マッカートニーのような土壌が、日本で育っていないのが残念。マジで。

MCでもご本人が「背伸びをせずにやれることだけをやる」と言っていたけれど、いくつになっても真の「今」の姿を晒し続ける姿勢を貫いてきたからこそ、あれだけのファンを魅了してきたのだろうなと。

往年のヒット曲を歌い続けて生きていくことも出来るだろうに、それをしない。常に「今」の自分を大事にしているから、古い曲もやらない、というのは、周囲から見たら愚直にも見えるのかもしれないし、色んな意味でメディアの格好のネタの対象になってしまうのかもしれないけど、古希を経ても成長・進化している姿は、やっていることの筋がピンと通った「漢(と書いてオトコと読む!)」だと思いました。

昔のように、TVへの露出度と人気が必ずしもイコールにならなくなっている今こそ、過去のイメージや栄光に阿ったりせず、独自の姿勢を貫いているジュリーのようなアーティストが強くなっていくような気がする。

当日の会場は満員。ネットでは、早速「関係者が4割」とかいう記事も出ていたけど、本当のところは知らないし興味もない。私は、生で見たジュリーにこの上なく満足したから、それでいーのだ。

曲のフリが分からなかったり、コーラスについていけなかったのをちょっと悔しいと思っている時点で、次のツアーに行くフラグが立ったな、これは。

※ライブ後に会場外に掲示されていたセットリストの横には、曲が収録されているCDのリストが。CDを買いたいときに参考になるから、バンドやミュージシャンは、みんなこれやったらいいと思う。

沢田研二,ジュリー,武道館,古希,OLD GUYS ROCK