「今年の漢字」予想 2018

明日、12月12日は「今年の漢字」が清水寺で発表される日ということで、私も予想してみました。

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いかがでしょうか?

今年は、大雨や地震など、度重なる災害の連続で、自然の猛威を目の当たりにする年でした。

ちなみに、昨年の予想はこちらでした↓

https://twitter.com/metokihakuju/status/935302962347249664

これもいい線行ってたと思うんだけどなぁ…。

果たして、今年の漢字はいかに?

「毎日後悔しない生き方してる?」と問いかけられた日々から感じていたこと

今日で震災から7年。

あの震災をきっかけに価値観が180度ガラリと変わり、すぐに様々な行動を起こした人がたくさんいました。結婚した人もいれば(震災婚という言葉もありましたね)離婚した人もいたし、東北から離れて移住する人もいれば、逆に東北を元気にするために!と、UターンやIターンで起業した人も…。

私は、あの頃、震災を巡る様々な状況を見聞きしながらも、

「自分が後悔しない生き方をしてるかい?」

と、毎日どこかの誰かに問いかけられながら、ボディブローのようにブスブスと体を突かれているような日々でした。

自分の中で「どんがらがっしゃん」と何かの価値観が一気に崩れた訳ではなかったけれど、重たいヘドロのようなものに足元からジワリジワリと浸食されるというか、蝕まれていくような感覚。

 

仕事に関して言うと、当時会社員だった私は、書道を趣味でやっていたものの「おばあちゃんになってから、地元に帰ってのんびり、小さい子に教えたりしながら仕事としてやれたら幸せね…」なんて呑気に構えていました。

あれから7年経っての現在地がここだなんて、当時は全く想像していなかった。

でも、震災以降、「会社の中の自分」という枠を取っ払ったときにでも「これが私です!」と、名刺代わりに自信を持って差し出せるものって何も無いかもしれない…という焦りのようなものは感じていました。自分の存在価値が欲しかったと言ってしまえばそれまでですが。

 

私にとって、書道は手放しで「大好きっ!」と言えるような類のものではなく、「出来なくて悔しい!」「何とか出来るようになりたい!」という気持ちで続けてきたこと。

いや、好きであることには変わりはないのだけど、キラキラした感じではないんだよなぁ。どうしても泥臭さが付きまとう。

書道を仕事にしよう!というのも、ほぼ直感的に決めたものではあるけれど、今思うと、書道を通じて培った「自分の成長の証」や「自分の価値」を提供して、人の役に立ちたい、という思いが日に日に強まった結果なのかもしれません。

 

書道を仕事にすることを、まだ先のことだと呑気に構えていたあの頃からすると、本当に仕事になった時期はだいぶ早まったけど、

「自分が後悔しない生き方をしてるかい?」

というボディブローは減り、足元にへばりついていたヘドロも綺麗になってきたような気がします。だいぶ心はスッキリ。

 

その代わり。日々作品や筆文字を書いていると、

「お前の実力はそれほどのもんか!」
「まだまだ書けるんじゃないんかぁ?こらぁ!」

と、もう一人の自分なのか妄想なのか、何なのかもはや分かりませんが、ボディブローというよりは豪快にアッパーカットを決められて、「あー、ごめんなさいっ!」てなることは、それはもう多々あります。早い話がダメ出し。

(この状態を放ったままにしておくと、ただの自己嫌悪の塊になるので、書き終えた後は、今日も一日頑張って書いた!と自分を褒めることにしていますw)

何かに追われたり浸食されたりするような心理状況は、基本的にはあまり変わっていないけれど、目指すものが明確になったという点では、あの頃とはステージが変わったというか、一皮向けたのだろうと前向きに捉えています。

 

仕事は、需要と供給で成り立つものですから、私の場合、私が書いた字やメソッドなどに、何らかの価値を感じてくださっている方がいるからこそ仕事として成立できています。今の環境やタイミングも含めて、本当にありがたいことです。

近江商人の「三方よし」みたいに、せっかく出会ったご縁なのだから、自分も相手も社会全体も、何やかんや大変なことがあっても、お互いが上手く循環して、最終的にはお互いが笑顔で仕事が終われた方が良いに決まってる。

その良い循環を生む為には、日々自分の価値をどんどん上げて行かなければと思います。

これからは、自分が好きなことや面白いなぁと思う業界で、自分の価値が生かせて、「自分が役に立てること×自分が好きなこと」の掛け合わせで仕事が出来たら最高!様々な形で、私の字がお役に立てたら、この上なく嬉しいです。

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流/留(Ryu)

漢字辞典で隣り合っていた、同じ響きでも意味が反対の字。

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昨日の東京の大雨で、色んなものをザーッと流しきったかと思えば、あちこちに水たまり。

流しきれていないものが、まだまだありそう。

【2018年の書き初め】これって変じゃね?と思っても、面白そうだったらやってみる

松の内ギリギリですが…あけましておめでとうございます。

毎年、1月2日は「書き初め」の日と言われていますが、遅ればせながら、今年の漢字を書いてみました。

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【変】です。

なぜこの字にしたか…。
「今年から、私、変わります!」とかいう爽やかな宣言などではなく、(この仕事を始めてから、日々の変化が激しくてスリル満載なので、改めて宣言するほどの気持ちは今は全くない)どっちかって言うと、

・一見すると「変じゃね?」と周囲から思われそうなことを、真剣に考えてやってみる
・自分で「これって変かも?」と一瞬頭をよぎっても、思いついてしまったらとりあえずやってみる
・今まで当たり前だと思っていたことを疑ってみて、たまに変化球を投げてみる

というイメージです。

「様々な形で多くの人が書を楽しめるような場作りをしたい」という気持ちはずっとあるので、レッスンや講座も今まで以上に活発にやっていくのはもちろんなのですが、昨年の秋から勉強を始めている、現代アートとしての書道の可能性について、今までの書道には無かった表現をどうやって作り上げていくか?という課題とがっぷり四つで組み始める元年となりそうです。

今までに無かった表現と言っても、自分の表現は自分の中からしか出せない訳で、無いものをこねくり回して表に出したところで、その表現は枯渇してしまう。

夏休みの宿題の絵日記のネタを探しのために買い物や旅行に行く、という行為は、パッと見のネタとしては華やかではあるけれど、内容の奥深さに欠けてしまい、ネタが長続きしないのと同じことです。(…ということを、小学校の頃に母親から良く言われていて、目時家の恥部を晒す作文を度々書いていたのを思い出しました…。)

「大したことない」と、つい蔑ろにしてしまいがちな気持ちや出来事に改めて着目すること
その気持ちや出来事を、素直に自分の表現として昇華させること

は特に意識して生活していこうと思います。

とは言え、評価されて(=作品として売れて)なんぼの世界なので、内容がひとりよがりにならないように、客観的に見てもらえる機会を増やしていきたいと思います。個展は出来るかどうか分からないですが、SNSなどでの露出はもっと増やしていこうかと。

後で振り返ったときに、来年からの日本じゃないけど、目時白珠年表の中で、年号が変わるくらいのターニングポイントになっていたら嬉しい。

まずは、来週行くニューヨーク。JCATグループ展「JCAT SHOWCASE 2018 IN Tribeca New York」のレセプションへの出席がメインですが、その他は美術館とギャラリーを時間の許す限り巡る予定。
表現のヒントの宝庫、現代アートの数々を吸収しに行ってきます!

メリークリスマス!

教室の一角をクリスマス風にしてみました。
グループ展でいただいた差し入れのお菓子が入ったブーツをあしらって。

墨と朱墨を使って書きました。
字は、爪楊枝で滲みを入れながらかわいらしく。

声の旧字体。

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本日から5日まで、私の地元、岩手県二戸市の石切所公民館で展示中の作品です。

今回、この題材を選んだのには理由が…。

私もよくライブに足を運んでいる、同じく二戸市出身の実の4兄弟バンド「SaToMansion」が最近リリースした新曲「VOICE」に触発されたのと、現在彼らが挑戦している、テレビ朝日の音楽番組「ROAD TO EX 2017」ライブバトルの決勝戦での勝利への願かけの意味も込めて。

ライブを見る度に「よし!おらも東京で一旗上げるぞ!」と奮い立たせられるのはもちろん、彼らの活躍は、同郷の者として本当に励みになっているのです。

作品の写真は実家の家族が撮ってくれたのですが、最近スマホに切り替えた母にとっては、この作品が撮影の良い練習台になっている模様。

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にしても肩に力入りすぎだろう、母よ…。

 

二戸も紅葉が進んで、まさに芸術の秋です。

 

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歪(ゆが-み、ひず-み)

不正を縦に書いたら「歪」になるんですよね。漢字って良く出来てるなぁ。

刑事ゆがみ,フジテレビ,美術協力,筆文字,書道,書家美術協力として手書き文字を担当させていただいたフジテレビ系ドラマ「刑事ゆがみ」が昨日放送されました。

画面を押さえてくださった皆様、リアルタイムで連絡くださった皆様、ありがとうございます。

私は、ウチにテレビがないので(!)近所のマンガ喫茶に行き、ハッカー・ヒズミばりに観賞。

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来週も本編のどこかで手書き文字が登場予定。瞬き禁止でご覧ください!

フジテレビ系ドラマ「刑事ゆがみ」公式サイトはこちら

今日は山の日。

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5年前に登った富士山は、痛みとの闘いで辛い思い出ばかりだったけど、

車窓越しに見ると

「私、あのてっぺんに行ったんだよなぁ…」

と、ひとり悦に入るのです。

美しい山は遠くから眺めてる方がいいな(^_^;)

面白い!と思ったら、表現の手法にこだわらない

昨日で、2度目の個展“One”終了いたしました。
ご来店くださった皆さま、Vinsantoのスタッフの皆さま、ありがとうございました!

作品をご覧になった皆さまからは、

「難しいと思っていた、書道のイメージが変わった」
「自分の想像力・創造力が刺激された」
「バー空間に展示されている作品を見て、書道を身近に感じた」
「今の日本の住居より、海外の家の方がインテリアとして映えそう」

などなど、様々な感想をいただきました。

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しらはないろ・真白さんが撮影してくださいました。ありがとうございます!

創作では、「字を書く」という視点で「面白い!」と思ったものは積極的に取り入れていますが、
今回の個展では、筆ではないもので書いた作品、水墨画の手法を取り入れた作品などもあります。

例えば、こちら。

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【叶】

これは、100円ショップで購入したハケで書きました。◯(circle)と+(plus) 良いことしかない組み合わせ。◯を美しく、立体的に表現することを意識しました。

私は、この字を表現したいと思ったら、従来の書道の道具や表現手法に捉われずに様々な方法にチャレンジしています。

次回の個展はいつになるか未定ですが、「古典の臨書・練習」「レッスン」「創作」にかけるバランスが崩れてしまうと、私自身があっぷあっぷになってしまうので(笑)また、作品を直に見ていただける機会を作れたらと思っています。

それまでは、常に新しい表現の可能性を探りながらも、日々の鍛錬を続けてまいります。

歩々清風起(ほほせいふうをおこす)

昨日は、個展を開催中のお店で、しら珠の生徒さん、お仕事でご一緒している皆さん、書友の皆さんをお招きして、ちょっとしたパーティーを開催いたしました。

美味しいワインとお料理を楽しみながら、書道話に花が咲き、甲骨文字や篆文でリレー書道大会をやったり、楽しいひとときでした。

この仕事を始めて1年に満たないながらも、

私の作品を見て、書道の見方が変わったと話してくださる方
作品に対する想いを真剣に聞いてくださる方
書道って楽しいものなんだね!と感激してくださる方
何とかして更に広げていきたいねぇ!と一緒に考えてくださる方

などなど…多くの素敵な人々に囲まれて仕事が出来ているなぁと、本当にありがたい気持ちでいっぱいになりました。

いらした皆様にお土産としてコースターをお渡ししたのですが、

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歩々清風起(ほほせいふうをおこす)

と書きました。

「一歩一歩、歩みを進める度に爽やかな風が吹く」という意味の禅語です。

今の自分が目指すところ、作品を見てくださる方、レッスンを受けてくださる方が心地良く過ごせるような場作りをしたいという想いに一番近い言葉だなぁと思っています。

今日から個展も折り返し地点。ご来店お待ちしております!

目時白珠 2nd exhibition “One”
会期:2017年2月5日(日)まで ※現在は終了しております
時間:平日18時~26時/日曜:18時~24時 
会場:dolce wine cafe Vinsanto
〒150-0021 東京都渋谷区恵比寿西2-1-7

作品の一部はこちらからご覧いただけます。

一家に一点、インテリア書を!

先日、インテリアアートに関する講演に行った際に、パネラーの方が、

「日本の家の中の壁、まだまだあいてますよ!」

と、オードリー春日ばりにお話をされていたのを聞いて、

「一家に一点、インテリア書を!」

これをマニフェストにしよう!と決めました。

日本の住宅事情もあるので、一概には言えませんが、日本のリビングは、テレビを中心とした家具配置が多く、壁にアートを掛ける感覚は、それほど浸透していないとのこと。

ただ、DIY女子ブームによって、カフェ風のインテリアを、家のインテリアの参考にしたり…と、インテリアに対する意識は高まってきています。

壁に、絵画などのアートを置くのも素敵ですが、「インテリア書」もオススメ!

例えば「一年の目標を書にしたためてインテリアとして飾る」。

「目標を書いて見えるところに貼ると達成できる」

という話を聞いたことありませんか?

私の場合、自分で書いた書に見られていると思うと、

「自分で決めたことを、自分で裏切れない」

という気持ちになり、目標達成に向けての行動に繋がっていくのを感じます。

「書く」ことで、

目標が明確に脳にインプットされ
意識が動き→体が動く=行動に繋がる

ので、目標達成への効果絶大です!

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オーダーメイドでの制作も承っております。
公式ウェブサイトでも、作品の一部を公開しております。

筆文字のご依頼〜制作事例〜

豊~書道は最高の美容液!?~

【豊(ゆたか、ほう)】

元々の形は、穀物が豊かに実る様子を表わすので、穀物の部分をふくよかなイメージにして書いてみました。

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デザイン書道のワークショップや、筆ペン・ペン字の1dayレッスンなどで、「こんな方が参加したら楽しめるんじゃないかしら?」と想定した中に、

「好きな芸能人の名前の一文字を書いて、眺めながらニヤニヤしたい方」

と、こっそり書いております。

例えば、竹野内豊を好きな人が(水谷豊とか武豊とか山川豊でもいいんです)楷書体で書いた「豊」を飾ると「いかにも」な感じになってしまうけれど、デザイン要素を入れてみると、人知れず「豊」を眺めてニヤニヤ出来ます。

好きな人の字を書く時は、相手のことをより強く思うから、絶対に適当には書けません。
下手なことが出来ないからこそ、より思いがこもります。

書道は、幸せホルモンと言われるドーパミンが放出されるとも言われるので、好きな人のことを思いながら書を嗜むのは、最高の美容液になります♪