「MUST」ではなく「WANT」で動く

今日は、書道のはな*みち主催の「書道のお仕事説明会」に、ゲスト講師としてお招きいただき、今の仕事を始めた経緯、今のスタイルで仕事するためにどんな施策をしているか等々…お話してきました。

私は、書道を仕事にするのにあたり、当初から「レッスン」と「創作」両輪でやっていきたいという思いを抱いていましたが、今は特に以下の3つを意識しつつ、その両輪を動かしています。

1.好きなことからブレない(「MUST」ではなく「WANT」で動く)
2. 「書道」の枠の中でも、自分が心地よい仕事・得意な仕事へ絞り込んでいく
3.色んなところに面白がって種まきをする(各種SNS、リアル)

1.2.に関しては、ありがたいことに「こういう人に来てほしいなぁ」と思う方々が生徒さんとしていらっしゃっていますし、特に筆文字を書くお仕事では、就活時代に憧れていた業界の方とお仕事をする機会が得られるようになってきました。

3.に至っては、つい先日、Twitterでぽろっとしたツイートが、その日のうちに以下のニュースサイトに取り上げられるということもありました。

News Up  嵐と“オトナの思春期”NHK NEWS WEBより

Twitterの話に限らず「あさがおの種をまいたつもりなのに、ひまわりの花が咲いた!」というような、ビックリすることも日々の仕事ではままありますが、結果として自分にとっては全て良し!と思って対応しています。

正直なところ、私の現在地は、その両輪は競輪選手が漕ぐ自転車のようにビュンビュンにフル回転!というよりは、子供が補助輪なしでやっと自転車に乗れた!というイメージなので、「お前、まだまだ行けるやろ!」というジレンマも多々ありますが、道筋としてはこのままで大丈夫!という気持ちを持ちながら、日々精進しています。

そんな自分の現在地を確認する意味でも、今日の説明会はとても有意義なものでした。お招きくださった高宮先生、ありがとうございます。

説明会の様子は、主宰の高宮華子先生のブログで、詳細をご覧いただけます。

2月17日(日)の回は若干お席があるようなので、ご興味ある方はぜひエントリーを!

隠したところで、どうせ表に出ちゃうんだったら、最初から出しておこうか

今回で2回目となった、しら珠の手習い「ひらがなで美しく書く百人一首講座」。

課題は、

忍ぶれど 色に出でにけり 我が恋は ものや思ふと 人の問ふまで (平兼盛)

でした。

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意味は、

人に知られないようにと内に秘めていたけれど、私が恋をしていることが、顔に出てしまったみたい。
何か物思いにふけっているの?と、人から尋ねられるほどに。

私、全然恋なんてしてません!てな顔してるけど、周囲から見たら、バレバレじゃん!という意味です。

こういう経験、多かれ少なかれ皆さんあるのではないでしょうか?
特にカンの鋭い女子は、

「何かいいことあったでしょ?」と、

友達に突っ込みを入れたり、逆に聞かれて素知らぬ顔できなかったり(苦笑)

この歌は、

歌人が歌を詠み合って、優劣を決める「歌合(うたあわせ)」という会で、最後に残った2首のどちらが勝つか…という段になって、主催していた村上天皇が、この歌をずっと口ずさんでいた…というエピソードでも有名です。

この時のお題が「忍ぶ恋」。

ちなみに、惜しくも負けてしまったのが、同じく百人一首に載っている、

恋すてふ 我が名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか (壬生忠見)

私が恋をしているという噂が早々に立ってしまった。誰にも知られないように密かに思い始めたばかりなのに。

どちらも、現代にありそうなお話ですね。

実は、この歌を選んだのには理由があって、ホロスコープ的には来週やって来る一大イベント

5月16日 天王星おうし座入り!

のことが、最近頭にずっとあって。

自分らしく五感に正直に生きることが、これからのスタンダードになっていく中で、色んなことを隠したところでどうしようもなくて、本音と建前みたいなものの垣根が無くなっていったり、正直に「顔に出てしまう」とか「思いが伝わってしまう」んじゃないかと思ったので、この歌を選びました。

という理由で、今回のブログのタイトルが、こうなった訳です。

小筆を使った練習では「実用書」「連綿線を生かした仮名」、ご希望に合わせて好きな方を学ぶことが出来ます。

連綿線を生かした仮名は、読みにくいのですが、先月のレッスンで「変体仮名」に興味を示した方が多かったので、街中で見つけた「変体仮名」でクイズを。

これは、新宿駅近くのとあるお店の暖簾ですが、

「追分だんご」の「ご」の形、何か変じゃないですか?
これが変体仮名なのですが、古(こ)に、濁点(゛)がついて、古゛(ご)と読ませています。

練習は、字単体の形だけに意識を向けていると、全体で俯瞰して見た時に、縦の流れが悪く見えてしまいます。
お手本を見ることも大切ですが、お手本に頼りすぎず、息を止めず(笑)呼吸するかのように自然な流れを作りながら書けるのがゴール。
縦の流れを美しく書くための筆慣らしをした後で、字を書き進めていきます。

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最初は、書きながら意識を向けるところが多すぎて、少々パニックになりながらも、最終的には美しい流れのある作品が仕上がりました。

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次回は、6月16日(土)13:00~から開催。
初めての方でも筆の持ち方から指導いたします。
日常の字を美しく書きたい方、和の文化に触れてみたい方、是非ご参加ください。

お申込み・お問合せはこちらまでどうぞ!

人間はカテゴライズされることで安心するけど、その枠を越えたところに、もっと自分の魅力を発揮するチャンスがある。

初めての試みの連続だった、及川智恵さん主催のイベント「マジメなアソビ」。お越しくださった皆さま、ありがとうございました。

イベント中のトピックスは、終了直後にツイートしたのですが、

書家にあるまじき展開…。

今回は、おひとりずつ占いセッションをしながら、

「誕生日から導く、あなたの味方になるインテリア書 ※ミニカルテ付き(仮)」を作るために必要な「言葉」や「色」をお伝えする…というのがメイン。

それ以外の時間は、アトリエにいる雰囲気でずっと字を書いていようと、色んな道具や資料も持参していたのですが、全く字を書くことなく終了しました。

イベント中、ほとんどの時間は、セッションしたり、書家になったきっかけを話したり、アート談義に花を咲かせたり…とにかく多くの方々と語り合うひとときでした。本当に楽しかった!

↑バラエティに富んだ展示の数々。

 

特に面白かったのは、セッションした方の多くが、

・占いが好きという訳ではない(むしろ、あまり信用していない)
・アートにすごく興味がある!大好き!という訳でもない
・…でも、「書道×占い」って、何か面白そうな気がする

という感覚を持たれていたこと。

「類は友を呼ぶ」じゃないですが、イベントに来てくださる方は、大なり小なり、出展者の個性のどこかに共鳴してくださっていたり、琴線に触れる部分があるのだろうと思っていて。

ということは、私たち出展者4人は「あまのじゃく」なのだろうか?と、ふと頭をよぎったのですが(笑)、色んな方とお話していて感じたのは、私たちのことを、

「カテゴライズしにくい場所に居るから、そこに面白さを感じてくれている」

のかもしれないなぁと。それが4人の共通点なのだろうし、智恵さんがお声がけくださったのも、そこに理由があったのかしら?と、勝手に思っています。

日本人は特定の枠にはめて物事を考えるのが好きと言われます。自分でもついやっちゃうけど、血液型もしかり、出身地もしかり。

占いも、「あなたの月星座は○○座だからこんなところがあって…」というカテゴライズをするもの。
自分自身を納得させたり、安心させるツールとして、大切なものだと思っていますが、その枠だけでその人を語ろうとしてしまっては、本当にもったいない。

途中から、セッションした方には、

「占いでは○○と出てはいるけど、やりたきゃ、やりゃあいいじゃん!」

という類の発言を何度か繰り返していたのですが、枠云々を越えたところに、その人の魅力であったり、チャンスがもっとあるんじゃないかと。

その自分の枠を越えるためには、他の人とお話をすること、意見を聞くことは大切だと思っています。それは、友人知人でもいいだろうし、それが嫌なら専門家でもいいし、今回のようなセッションでもいいかもしれない。

今回の「マジメなアソビ」でも私自身がそうだったのだけど、例えば、自分で自分の最大限の枠を「直径1m位の球体」だと思っていたとしたら、ある人は「1辺5mの立方体」だと思っているかもしれないし、また別の人は「お前は形に見えるとかそういうんじゃないレベルの存在なんだよ!」という驚きの見積もりをするかもしれない…。

自分が決めている枠は意外と小さくて、実際に色んな方とお話して、今回の「書道×占い」のインテリア書も、今後どう発展させるか?というヒントをいただけたりしたのも、本当にありがたかったです。

今は、個人で発信できる時代になったからこそ、その分チャンスがあるということ。仕事に関しても、例えば、

・ナントカ協会に入っていないと生き残れない
・どこかの事務所に所属していなければ売れない

みたいなことは、もう無くなってきてはいますが、情報量が多くなると、どんどん埋もれてしまい、まずは「知ってもらう」という機会すら持てなくなってしまう。

今回、サンドウィッチマンのネタのツカミの

「名前だけでも覚えて帰ってください」

じゃないけど、まずは、「こんなことをやっている人がいる」と、直に見てもらえる機会をいただけたことに、本当に感謝しています。ありがとうございます!

グループ展「墨遊楽」書道展レポート

3日間に渡って開催した「墨遊楽」書道展、大盛況のうちに終了いたしました。お越しくださった皆さま、有難うございます。  

元々は十数年前に同じ書道教室に通っていた仲間を中心に始めた会ですが、グループ展も6回目になると、ホームグラウンドに戻ってきたなぁという感覚になります。

 

同時開催しているミニレッスンも大盛況、皆さん楽しんで筆を持っていらっしゃいました。

今回も個性溢れる自由な作品が並び、私も大変刺激を受けました。

今年は、恵比寿の個展に出した作品を中心に、壁一面使わせていただいて展示、シックなイメージでまとめました。

グループ展の期間中、

「SNSで字を見て、気になって来ました!」

という方や、作品の着想元になったSaToMansionファンの方が来てくださったり、新しいイベント案が浮かんだり…等々、嬉しかったことは沢山あったのですが。

長い付き合いの方に、

 

「憑きものが抜けたね!」

 

と言われたことも嬉しかったことの一つ。

別に霊的なものが憑いてたとかではなく、今の仕事を始めたことで、何かがスッキリしたように見えたらしいです(ちなみに全く痩せてはいない…)改めて、今の仕事を選んで良かったなぁと思った瞬間でした。

来年も、イチョウが黄色く色づく季節に開催予定。これからもメンバー一同、既成概念にとらわれない書を楽しんでいきたいと思います。

自分が好きな字を書いて、想いを形にする楽しさと喜びを学ぶ

昨日は、毎月指導させていただいている、自立支援施設「放課後デイレインボースター」の
生徒さんの作品とオカリナの演奏を見に、蒲田東フェスティバルへ行ってきました。

オカリナの演奏は、暗譜するために、毎日楽器を持ち帰っては、音源を聞きながら練習する子供たちも多いと伺っていたので、楽しみにしていたのですが、全く物怖じもせず、堂々とした演奏ぶり。
書道,学童

普段の書道の授業では見かけない表情が新鮮でした。

書道は、書きたい字とイメージを、子供たちが自分で決めたこともあり、バラエティに富んだ素晴らしい展示に!

書道,学童

カラフルな額は、今年の始めの個展でも使用した段ボール額。
今回は、色を多用したので、子供たちの作品のイメージにもピッタリでした。

他にも、ゼンダングルや革細工などの作品も。手の込んだ作りに驚きました。

自分の想いを形にして、親御さんや地域の人など、多くの人に見ていただけたことで、子供たちも喜びや自信に繋がったようです。

【イベントレポート】中国舞踊・音楽・中国茶・書道のコラボレーション~中国文化体感の会

7月30日に下北沢Half Moon Hallで行われた、中国舞踊サロン主催の「中国文化体感の会」無事に終了しました。
お越しくださった皆さま、ありがとうございました。

今回は、中国舞踊、音楽、中国茶、書道のコラボレーション。

実は、中国舞踊、音楽は生で見るのは初めてでしたが、大陸の広さ故、同じ中国の舞踊や音楽でも、動きや曲調がとてもバラエティに富んでいて、喜怒哀楽の表現がとても豊か。五感に響く心豊かになれる空間を体感できました。


↑松田育さんの中国舞踊。艶やか(*´ー`*)

私は書道担当として、中国舞踊の演目「春江花月夜」と、その詩からの一節を、会場で振る舞われた中国茶名「鳳凰単叢」を揮毫しました。

参加者の方々に筆を持っていただき「春江花月夜」をリレー形式で書くという試みも行いました。
創作の光景の一端をご覧いただくことで、普段あまりお見せすることのない、作品作りの間や空気感をご提供できたのではないかなぁと思っております。


↑出演者の皆さまと記念撮影
コンクリートの打ちっぱなしの壁に、書いたばかりの作品が予想以上にマッチしました(^_^)

面白い!と思ったら、表現の手法にこだわらない

昨日で、2度目の個展“One”終了いたしました。
ご来店くださった皆さま、Vinsantoのスタッフの皆さま、ありがとうございました!

作品をご覧になった皆さまからは、

「難しいと思っていた、書道のイメージが変わった」
「自分の想像力・創造力が刺激された」
「バー空間に展示されている作品を見て、書道を身近に感じた」
「今の日本の住居より、海外の家の方がインテリアとして映えそう」

などなど、様々な感想をいただきました。

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しらはないろ・真白さんが撮影してくださいました。ありがとうございます!

創作では、「字を書く」という視点で「面白い!」と思ったものは積極的に取り入れていますが、
今回の個展では、筆ではないもので書いた作品、水墨画の手法を取り入れた作品などもあります。

例えば、こちら。

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【叶】

これは、100円ショップで購入したハケで書きました。◯(circle)と+(plus) 良いことしかない組み合わせ。◯を美しく、立体的に表現することを意識しました。

私は、この字を表現したいと思ったら、従来の書道の道具や表現手法に捉われずに様々な方法にチャレンジしています。

次回の個展はいつになるか未定ですが、「古典の臨書・練習」「レッスン」「創作」にかけるバランスが崩れてしまうと、私自身があっぷあっぷになってしまうので(笑)また、作品を直に見ていただける機会を作れたらと思っています。

それまでは、常に新しい表現の可能性を探りながらも、日々の鍛錬を続けてまいります。

歩々清風起(ほほせいふうをおこす)

昨日は、個展を開催中のお店で、しら珠の生徒さん、お仕事でご一緒している皆さん、書友の皆さんをお招きして、ちょっとしたパーティーを開催いたしました。

美味しいワインとお料理を楽しみながら、書道話に花が咲き、甲骨文字や篆文でリレー書道大会をやったり、楽しいひとときでした。

この仕事を始めて1年に満たないながらも、

私の作品を見て、書道の見方が変わったと話してくださる方
作品に対する想いを真剣に聞いてくださる方
書道って楽しいものなんだね!と感激してくださる方
何とかして更に広げていきたいねぇ!と一緒に考えてくださる方

などなど…多くの素敵な人々に囲まれて仕事が出来ているなぁと、本当にありがたい気持ちでいっぱいになりました。

いらした皆様にお土産としてコースターをお渡ししたのですが、

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歩々清風起(ほほせいふうをおこす)

と書きました。

「一歩一歩、歩みを進める度に爽やかな風が吹く」という意味の禅語です。

今の自分が目指すところ、作品を見てくださる方、レッスンを受けてくださる方が心地良く過ごせるような場作りをしたいという想いに一番近い言葉だなぁと思っています。

今日から個展も折り返し地点。ご来店お待ちしております!

目時白珠 2nd exhibition “One”
会期:2017年2月5日(日)まで ※現在は終了しております
時間:平日18時~26時/日曜:18時~24時 
会場:dolce wine cafe Vinsanto
〒150-0021 東京都渋谷区恵比寿西2-1-7

作品の一部はこちらからご覧いただけます。

今日と明日とで、心に響く曲が違うこともある

好きなアーティストのライブに行ったりCDを聴いたりすると、

いつもは「A」という曲が大好きなのに、今日は「B」という曲にグッと来たなぁ…。
前は何とも思わなかったのに…。

なんていうことが度々ありますが。

作品を観ながら、お互いに作品の感想を話している時に、これと似たような感覚を味わっていました。

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同じものを見てるのだけど、人によっても、日によっても、見える景色が全く違う。

その時の自分の心の状態によって、共鳴するものが違う

それだけ心は繊細だし、移り変わるものだし、成長していくもの。作品を通じて、観てくださった心の一端を垣間見られるのが楽しいです。

今日で個展も5日目ですが、作品を観てくださった方々の感想を伺いながら、

「おー、私が書いた時と全く同じ感覚で見てたのね!」
「私が書いてる時は、実はそこまで深く意識していなかった(^_^;)」
「作品の解釈が私と真逆で面白い!」

といった驚きを私自身が毎回感じております。作品から多くのことを感じ取ってくださって嬉しい限りです。

好みの作品を観ながら、自分の今の心の状態を何となく分析してみたり…という楽しみ方もできますので、是非お店へ足をお運びくださいませ(^^)

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↑ポストカードは全4種類、1枚100円で販売中です。

目時白珠 2nd exhibition “One”
会期:2017年1月23日(月)~2月5日(日)※現在は終了しております
時間:平日18時~26時/日曜:18時~24時
会場:dolce wine cafe Vinsanto
〒150-0021 東京都渋谷区恵比寿西2-1-7

作品の一部はこちらからご覧いただけます。