オンライン写経会の様子はこちらで取り上げています。
ZOOMで写経会をやってみた~書道がオンラインの双方向型エンタメコンテンツになり得るか?~
この会ではいつも「般若心経」を書いていますが、時間にして1時間強。初心者の方が多い中で、皆さん集中して取り組んでいらっしゃいますが、文字数にして276文字。なかなか骨の折れる作業です。
でも、もし、こんなに書かなくても同じような効果がある!というものがあったら、どうでしょう?
実は写経の世界でもあります。
それが、これからご紹介する「延命十句観音経」です。
何か、ダイエット企画の「〇〇するだけで痩せる!」とか、テレビショッピングの「なんと、従来の製品よりもお得な!…」とか言っているようだ…。
実際に書いてみました↓
テンポ良く行けば、10分程度で書けます。
霊元天皇が、比叡山の僧侶・霊空に「最も霊験あらたかな経典を探せ」と命じて探させた結果、辿り着いたのが「十句観音経」と言われています。
このお経を広めたのは、江戸時代の有名な禅僧・白隠。
・病気が治った
・死を免れた
・蘇生した
・霊障を免れた
・人生の災難を逃れた
という実例を挙げて、延命十句観音経を唱えることを推奨し、一気に人気が高まりました。(「十句観音経」に「延命」と付けたのも白隠と言われています)
【読み方】
観世音(かんぜーおん)
南無佛(なーむーぶつ)
与佛有因(よーぶつうーいん)
与佛有縁(よーぶつうーえん)
佛法僧縁(ぶっぽうそうえん)
常楽我浄(じょうらくがーじょう)
朝念観世音(ちょうねんかんぜーおん)
暮念観世音(ぼーねんかんぜーおん)
念念従心起(ねんねんじゅうしんきー)
念念不離心(ねんねんふーりーしん)
【口語訳】
観音様。私は観音様に帰依いたします。
私は仏様とともにある因やご縁で生かされています。
仏法僧の三宝ともご縁で結ばれています。
常に楽しく浄らかなる悟りの境地を与えてくださいます。
私は朝な夕なに観世音菩薩を念じます。
その一念一念は、私の心の中から現れ、
私の心が観世音菩薩から離れることはありません。
十句観音経は、
中国・東魏の時代、無実の罪を着せられていた孫敬徳が、
処刑前夜、夢にお坊さんに「十句観音経を1000回唱えなさい」と言われ、
「私はそのお経を知りません」と答えると、お坊さんが自らお経を唱えてくれた。
彼は言われた通りに、十句観音経を1000回唱えたところ、奇跡が起こり処刑を免れた。
という言い伝えから、延命十句観音経は「1000回唱えると願いが叶う」とも言われ、現在も、日常の読経や写経などに用いられ、多くの人に親しまれています。
実際にご自宅で書いてみたい方向けに、延命十句観音経の写経用紙も販売されています。